コラム
2022/03/01
新型コロナウイルス感染症の拡大以降、さまざまな場面でICT機器が導入され、それを利用したサービスが取り入れられるようになった。
大学では、オンラインによる授業やゼミナール、会議が行われている。私生活に目を向ければ、在宅の時間が増え、利便性を向上させるべく、あるいは娯楽のために、各種サービスを利用する機会が多くなった。
筆者は、これを機にネットスーパーの利用を始めてみた。スーパーマーケットや店舗を持たない宅配専門の業者がオンラインで注文を受け付け、主に個人宅まで商品を即日配達する宅配サービスで、当然のことながら外出回数が減ったし、時間の節約にもなった。
これはあくまで一例であり、ICTを利活用することで、外出の抑制が求められた環境下でも、日ごろの業務や日常生活をある程度実現できている。
では、感染症の収束後もICTの利活用は、さらに進むのだろうか。
総務省が発表した『令和3年版 情報通信白書』の「新型コロナ感染症拡大の収束後に利用したいサービス」では、日本、アメリカ、ドイツ、中国の一般国民を対象としたアンケートの結果が示されている。これによると、上位に「インターネットショッピング」(28・4%)、「電子マネー・電子決済・QR決済サービス」(26・3%)、「ネット動画配信」(22・6% )となっていた。その一方で、「当てはまるものはない(利用したいサービスはない)」と回答した割合は45・8%と多い。特に日本では、その割合が他国と比較して大幅に大きく、「我が国のデジタルサービスの利用は、引き続き慎重となる可能性がある」と述べられていた。
ICTは決して万能ではないし、導入が進むことで新たな課題も出てくるだろう。しかし、利便性を考えれば、社会の課題解決、そしてQOL(Quality of Life)の向上のためにもICTの利活用が不可欠だ。そのためには、多くの人にとって身近なシチュエーションにさらにICTサービスを導入し、メリットを感じてもらうことが重要であろう。
(筆者は毎号交代します)
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