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コラム

2021/03/01
学生と日々接する中で感じていることや思いなど、
毎年3人の東海大学の教員がそれぞれの視点からつづるリレーエッセイ。

お題〈番外編〉 卒業を振り返る

体育学部生涯スポーツ学科 松下宗洋 助教

私が担当するコラムでは「私といえば?」と身近な人物に聞き、その回答をテーマとしてきた。しかし、ふと思えば自身を振り返ったテーマで書いたことがなかった。このコラムが掲載される3月は卒業シーズンなので、自分と卒業について少し振り返ってみようと思う。

この2020年度の学位授与式は、私にとっても思い出になると思う。というのも、私が大学を卒業して以来約10年掲げてきた「卒業論文を指導したい」という目標を達成し、その学生たちが卒業するからである。

ちなみに私は、現在教鞭をとる体育学部生涯スポーツ学科を卒業しており、さらに研究室は学部生時代にゼミ生として使っていた思い出の部屋でもある。自分が学生時代に卒論を書いていた部屋で卒論指導をするのは“何か持っている”と思う一方、実際にはコロナ禍でほとんど遠隔対応となったのは、“何か持ってない”。これも、自分らしさと認めざるを得ない。

「卒論指導をする」目標を達成できたのは、もちろんお世話になった方々のおかげがほとんどだ。でも、自分の考え方が合っていたと思う点を挙げるのであれば、「とにかく機会があればいろんなことをやってみた」ことである。

私の好きな言葉に、「どんな仕事でも『得意です!』と答えて、受けてから勉強するようにしていました」というものがある(リリー・フランキー氏の発言だと記憶しているが出典は不明)。この言葉を意識し始めたのは大学院生のころなので、実際には仕事ではなく研究・教育活動だったが、「これやってみる?」と声をかけてもらったことは二つ返事で取り組んでいたと思う。できないことにも取り組まなければ、できることは増えない。こういう「ノリと勢い」を最近は忘れつつあったので、大切にしていきたい。

卒業後の自分を振り返ったコラムを書いて思ったのは、私が真面目なことを書くと何か説教臭くてセンスが全く感じられない点である。妻には「ヘラヘラしたコラムにしなさい」と言われたのだが、「(自分の)最終回だからちゃんとしたこと書かなきゃ」という中途半端な真面目さが裏目に出てしまった。振り返るのもほどほどに、ノリと勢いと中途半端な真面目さと付き合いながら、明日からは次の目標に向かいたい。

(筆者は毎号交代します)

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