研究
2024/08/012022年度に大学院総合理工学研究科で博士(工学)の学位(論文博士)を取得した根本浩史さん(清水建設㈱)がこのほど、公益財団法人前田記念工学振興財団の令和6年度優秀博士論文賞「山田一宇賞(土木分野)」を受賞した。
根本さんの論文テーマは「コンクリートのこわばりに関する研究ならびにこわばり低減剤の開発」。セメントと水を混ぜ、硬化するまでの状態を指す「フレッシュコンクリート」は自在に成型できる一方、硬化した後に型枠どおりに成型できていないと補修や作り直しなどで大きな損失が生まれる。根本さんは清水建設の技術者として長年、コンクリートの施工に携わる中で、流動性が急激に損なわれて動きづらくなる「こわばり」が主要因となるコンクリート性状変化や初期欠陥の発生を目の当たりにし、制御の必要性があると考えた。
建築都市学部(工学部)土木工学科の伊達重之教授の下で、学生や企業と共同で研究に着手。建設現場などで呼ばれてきた「こわばり」を学術的に定義づけるとともに、新たに開発した「こわばり低減剤」を実用化した点が評価された。
「こわばり低減剤は、低コストなうえに、洗濯機に洗剤を入れるように、コンクリートに粉末状の低減剤を入れて2分ほどかき混ぜるだけでこわばりにくくなるという扱いやすさもあり、すでに100件以上の現場で使用されています。企業と大学がうまくタッグを組み、形にすることができました」と語った。
2025/08/01
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