研究
2021/07/01生体模倣システムに世界が注目
マイクロ・ナノ研究開発センターの木村啓志准教授(工学部)が執筆した論文がこのほど、クライベイト社が運営する世界最大級のオンライン学術データベース「Web of Science」のPharmacology&Toxicology分野で、2020年度高被引用文献上位1%に選出された。
世界中の研究者から多数の引用を受けた論文は、「創薬のためのマイクロ流体技術を用いたオーガンオンチップに関する総説」。木村准教授は、微細加工によって作製されるマイクロ流体デバイスを使った生体内模倣システム「オーガンオンチップ」を開発。装置内で臓器細胞を培養することで、その細胞の機能を維持・向上させることに成功した。
今回の論文は、この技術を活用した創薬研究の成果をまとめたもので、動物実験の代替法としても注目を集めている。木村准教授は、「本研究は、欧米で化粧品開発での動物実験が規制され始めた2010年ごろから飛躍的に注目されるようになり、今回の引用文献上位1%選出にもつながったと思います」と語っている。
研究室の大学院生も活躍 学会研究会で優秀発表賞
木村准教授の研究室に所属する榛葉健汰さん(大学院総合理工学研究科総合理工学専攻)が、5月17、18日にオンラインで開催された「化学とマイクロ・ナノシステム学会」研究会で優秀発表賞を受賞した。
榛葉さんは、「オンチップポンプ型多臓器Microphy siological System(MPS)を用いた臓器間相互作用の評価」について発表。木村准教授は、「細胞培養の際には、培養液を装置に送るためのポンプやチューブを接続しなければなりません。熟練した技術や知識が必要とされています」と話す。
榛葉さんは、その課題解消に向け、従来の細胞培養プレートにポンプやマイクロ流路を内蔵し、これまでよりシンプルで扱いやすくした「スターラポンプ集積型多臓器MPS」を開発。同装置を使って薬剤の吸収や代謝を担う小腸・肝臓の二臓器間相互作用の評価結果をまとめた。榛葉さんは、「このシステムが創薬プロセスの中でさらに必要とされるように今後も努力を続けていきたい」と話している。
研究室では現在も医学部をはじめ、学内外のさまざまな研究者と共同で学際的な研究を続けており、木村准教授は、「今後は産学連携も加速させ、研究成果の社会実装を目指していきます」と語った。
(写真)木村准教授(右)と賞状を手に笑顔を見せる榛葉さん
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