研究
2025/12/01大学院生物学研究科の松井晋准教授(生物学部)と研究室に所属していた猿舘聡太郎さん(研究代表/生物学研究科2023年度修了)らの共同研究チームがこのほど、国の天然記念物に指定されている大型キツツキ類「クマゲラ」に関する論文を発表した。
札幌市の都市近郊に広がるカラマツ人工林を、厳冬期における重要な採餌場所として選択的に利用している実態を初めて解明した研究の成果をまとめたもの。「クマゲラの冬期における生立木の採餌木選択と採餌場適地推定」のタイトルで、11月11日に『日本鳥学会誌』に掲載された。
猿舘さんは同研究科在学時に、クマゲラの生態に興味を持ったことから鳥類学が専門の松井准教授の研究室に所属。北海道立総合研究機構林業試験場の研究者の協力も得て、冬期に生きた木の樹幹を掘って採食した痕跡のある木の分布を基に環境選択性を解析してきた。
指導した松井准教授は、「研究の結果、札幌市ではカラマツの人工林を含む成熟した低地林がクマゲラの冬期採餌場所として重要であることなどが確認できました。今後は、北海道低地部の人工林管理において、クマゲラの冬期の採餌痕を指標として種の保全と生物多様性に富む森林の保全を同時に進めていくことが期待できます」と話している。
2025/12/01
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