スポーツ
2025/06/01「大学で野球を続けたい」——そんな女子選手の受け皿になろうと、静岡キャンパス女子硬式野球部が創部して1年。4月には新入生8人が加わり、総勢15人で本格的なスタートを切った。5月14日から19日にはINOUE・東都スポーツパーク野球場などで開催された全日本大学選手権高知大会にも初出場。成長を続けるチームを追った。
試合中も笑顔を絶やさない底抜けの明るさが、
チームに勢いを呼び込む
創部1年目の昨年は、弓桁義雄監督（付属静岡翔洋高校中等部教諭）が指揮官を兼任する静岡翔洋高と合同チームで4月のGIANTS杯福島大会に出場。8月には静岡交歓会 富士山大会も主催して実戦を積んできた。弓桁監督は、「大学の公式戦に出場できなかった分、じっくり練習してきました」と振り返る。細谷南花マネージャー（人文学部2年）は、「全体練習の後にもノックを志願したり、走り込んだり、遠征先のホテルの裏で素振りをしている姿も見てきました。野球が好きで、負けたら悔しくて、そうした思いが選手たちを動かしていると感じています」と語る。
一方で、人数が少ない分、「いつも同じ練習ばかりになってしまって、どこか気持ちが入っていないときもありました」と手塚凜選手（同）は振り返る。それでも、後輩が加わり「チームが締まった」と選手たち。「野球を楽しむ」をモットーに、課題を見つけては自分たちで練習に取り入れチームをつくってきた。
千葉穂乃果選手（人文学部1年）がエースで
4番を務める
迎えた全日本では、予選リーグ2戦目でびわこ成蹊スポーツ大学を4―2で制して同大会初白星を挙げ、目標の決勝トーナメント進出を果たした。札幌国際大学には8―13で敗れたが、最後まで粘り強く追い上げた選手たちを見た弓桁監督は、「いいチームになる」と確信している。「勝つことがチーム力を上げる一つの要素であり、選手権1勝は大きな価値があります。一方、負けたことで“もっとやらなければ”という気持ちになっているはず」
ベンチを出た後、鈴木はな主将（同）は「次は絶対に負けない！」と悔しさを隠さなかった。「いいところも課題も見つかった大会。練習で詰めて、夏の全国大会でさらに上位を目指したい」
今大会を制した仙台大学は創部2年目の前回大会で初勝利を挙げ、今年一気に頂点まで駆け上がった。「チームとしてまだ始まったばかり」——経験を力に変えていく。
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