スポーツ
2022/08/014月から6月にかけて行われた春季関東大学リーグ戦と東日本大学選手権大会(東日本インカレ)で、アベック優勝を遂げた男女バレーボール部。ともに秋季リーグ戦、全日本大学選手権大会(全日本インカレ)を合わせた学生大会4冠に向けて好スタートを切っている。強さの秘密はどこにあるのか――。男子部の小澤翔監督(スポーツプロモーションセンター助教)と樋内竜也選手(体育学部4年)、女子の藤井壮浩監督(体育学部教授)と中川つかさ主将(体育学部4年)に聞いた。(取材=小野哲史)
春季リーグ戦では男女ともにポイントになる試合があった。女子部は10連勝で迎えた5月22日の東京女子体育大学戦。2セットを先取される苦しい展開だったが、中川選手の「自分たちの目標は学生大会4冠。ここで負けていられない。5セットまで持ち込もう」という声掛けでチームが奮起した。劇的な逆転勝利で、2019年度秋季リーグ戦以来となる優勝につなげた。
男子部は4月17日、筑波大学との開幕戦でフルセットの末に惜敗。しかし、エースアタッカーの樋内選手が「ミスは少し多かったけれど、取った2セットは自分たちのバレーができていた」と語るように、選手は敗戦をネガティブに捉えなかった。むしろ反省を生かし、同じくフルセットにもつれた翌週の日本体育大学戦で初勝利。小澤監督が「この1勝で流れに乗ることができた」と語るように、その後は一度も負けずに長丁場の戦いを乗りきった。
6月下旬の東日本インカレまでは、4年生の多くが教育実習で不在となった。「準備に多くの時間を取れなかった」と両指揮官は口をそろえる。中川選手ら女子部の主力は開幕2日前にチームに合流し、男子の山本龍主将(体育学部4年)は教育実習が大会と重なり、全日程に帯同できなかった。小澤監督は「ほかの選手は山本がいないから負けたと言われたくないはず。特に3、4年生には心のケアについて話すことが多かった」と振り返る。
迎えた東日本インカレで、女子部は大会序盤にリーグ戦の出場機会が少ない下級生中心で臨んだ。準々決勝あたりから主力も活躍し、日本代表・宮部愛芽世選手(同3年)の決勝戦でのプレーぶりは「圧巻だった」と藤井監督は舌を巻いた。
男子部も山本選手に代わるセッターに櫻田義春選手(同4年)が入り、樋内選手が主将を務めたチームは「試合を重ねるごとによくなっていった」(小澤監督)という。最終的に中川選手と樋内選手がそれぞれ最優秀選手賞に輝いたほか、福田文香選手(同2年)のブロック賞、櫻田選手のセッター賞など、男女で新戦力が個人賞を獲得。優勝という結果とは別に、チームの選手層の底上げができたことが大きな収穫だった。
秋に向けて課題を克服 夏場の鍛錬期に意欲
男女そろって充実期を迎え、大学バレーボール界を席巻する両部の強さはどこにあるのか。藤井監督は、「普段から男子の隣で練習していますし、本学にはほかにも全国で活躍している運動部が多い。学生はそれらに刺激を受け、“自分たちも負けていられない”というモチベーションにつながっています」と語る。小澤監督は、「今年度のチームは負けず嫌い。できないことをそのままにしない選手が多いのが魅力」と見ている。
2つのタイトルを手中に収めたが、男女ともに掲げる4冠に向けては道半ば。秋季リーグ戦と全日本インカレに向けて、「秋はどの大学もチームを完成させてくる。そこで勝てるチームこそが強い。これから課題を克服し、自信を持って秋季リーグを迎えたい」(中川選手)、「課題はサーブレシーブの安定。それができれば山本が自分たちにいい形で攻撃させてくれる」(樋内選手)と選手たちは意気込む。夏場の鍛錬期にさらにチーム力を上げ、4冠へと駆け上がる。
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