share

特集

2025/10/01
教育の現場から
話題の授業や地域・企業と連携した課外活動など、東海大学の特色ある教育現場に迫ります。

【ソーラーカーチーム】BWSC5位 世界最高峰の舞台で奮闘

太陽光で豪州3000㎞走破 経験と悔しさを次大会へ

太陽光だけを動力に約3000キロの赤土の大地を駆け抜ける―。Tocoチャレ「東海大学ソーラーカーチーム」が、8月24日から31日までオーストラリアで開かれた「2025ブリヂストン・ワールド・ソーラーチャレンジ(BWSC)に出場。今大会に向けて開発した「2025年型Tokai Challenger」で世界の強豪と競り合い、アジア勢トップの5位に入った。

3000㎞を走り切り、アデレード中心部のヴィクトリアスクエアで行われたセレモニーゴール。疲れを忘れて、チーム全体で喜びを爆発させた

BWSCは2年に1度、オーストラリア北部のダーウィンから南部のアデレードまでを縦断する世界最高峰のソーラーカーレース。チームは09年と11年大会で連覇を達成し、19年大会では僅差で準優勝した。

 

世界一奪還を目指す今大会に向けて、先発隊は7月28日に日本を出発。29日にメルボルンに到着し、船便で輸送したマシンを受け取ると、コースを逆走して路面やキャンプ候補地を確認した。8月8日にはスタート地点・ダーウィンで後発隊も合流。マシン整備と公道試走を重ね、20日に静的車検、22日には動的車検を通過し、23日の予選の結果、本戦は10番目のスタートが決まった。

 

開催時期が夏から冬へ 極寒の荒野でマシン整備

 

気温の低い早朝から充電など整備に励んだ

迎えた初日は佐川耕平総監督(工学部准教授)がステアリングを握り、ダーウィンをスタート。第1コントロールポイント(CP)のキャサリンには6位で到着した。直後に5位へ浮上したが、リアタイヤがパンクし一時は9位に後退。それでも2日目に6位、3日目に5位と着実に順位を上げていった。

 

今大会は開催時期がこれまでの10月から8月に移り、南半球のオーストラリアでは季節が夏から冬へと変更された。レース中は荒野でキャンプを張り翌日に備えるが、深夜は0度前後まで冷え込んだ。厳しい環境下でもメンバーは、「少しでも気になる点は修繕したい」と遅くまで整備を続け、夜明けと共にバッテリーを充電した。

 

学生たちの努力もあり、初日のアクシデント以降は安定した走行を続け、アジア勢トップとなる5位でアデレードに到達。メンバーはセレモニーゴールで喜びを爆発させた。一方で、機械班リーダーの小平苑子さん(大学院工学研究科1年)は、「優勝できなかった悔しさもある」と複雑な心境を明かした。電気班リーダーの松崎智紀さん(工学部4年)は、「トップチームのマシンを見ると、まだまだ自分たちにできることがあったように思います。この悔しさを次のマシン開発につなげたい」と意気込んだ。

 

木村英樹監督(東海大学学長、工学部教授)は、「雄大で厳しい環境の中で、日々学生たちは頼もしくなっていました。大会関係者やスポンサーのおかげで実り多い期間になりました」と語り、佐川総監督は、「学生たちは見違えるように成長しましたが、本来はレースがスタートする前にチームのレベルを高めておく必要があります。今回の経験を2年後に生かし、さらに上位を狙います」と力を込めた。

 

湘南から気象情報などを伝達 「支援基地」で学生らがサポート

 

湘南キャンパスでは、レース初日から気象情報を伝える「湘南支援基地」が活動を展開した。情報理工学部の中島孝教授と理学部の山本義郎教授らの下、学生、大学院生ら15人が参加。学生たちが交代で19号館に設けられた部屋に詰め、刻一刻と変わる雲や風向き、気象予測を指令車に伝えた=写真。「画像分析や気象予測などで少しでも力になりたい」と梅津颯さん(情報理工学部4年)。ソーラーカーチームのメンバーでもある中田大裕さん(工学部1年)は、「自分もここでできる限りの支援をしていきます」と話した。

 

木村監督は、「湘南から多くの学生や教員がサポートしてくれたことに感謝しています」と話していた。

 

 

教育の現場から記事一覧

2025/09/01

【エスコンフィールドHOKKAIDOで「東海大学DAY」】

2025/05/01

ようこそ東海大学へ

2025/03/01

【第54回海外研修】 “変化を舵に”成長の航海へ

2025/02/01

【2025年度「ToCoチャレ」がスタート】

2024/11/01

【TOKAIグローカルフェスタ】地域に根付く大学開放イベント

2024/10/01

【人文学部「フィールドワーク演習」】 キャンパス飛び出し「二十歳の遊学」

2024/09/01

【東海大学DAY】プロ野球公式戦で多彩な企画

2024/08/01

【児童教育学部「あかちゃんひろば『きらり・Tokai』」】親子との交流通じ保育を学ぶ

2024/05/01

大海原で学び深めた33日間

2024/03/01

大船渡での経験をつなげる

2024/02/01

「運動」テーマに多彩な企画

2023/12/01

【ソーラーカーチーム】4年ぶりのBWSCで5位

2023/10/01

【ソーラーカーチーム】4年ぶりのBWSC参戦

2023/09/01

【東海大学DAY】グラウンド内外で多彩な企画

2023/06/01

【多職種連携チーム医療演習】学科や職種の枠を超え

2023/05/01

教育・研究と実習が一体に

2023/04/01

【東海大学 2022年度研修航海】

2023/03/01

【建築都市学部版 ものづくり学生サミット】仲間と協力し企業の課題に挑戦

2022/10/01

猫たちのQOL向上目指す

2022/08/01

国際学部「GLOBAL STUDY TOUR A」

2022/07/01

審査を経てデザイン案が決定

2022/03/01

健康学部1期生が卒業へ

2020/12/01

対面とオンラインの併用で

2020/11/01

【医学部医学科】TBLをオンラインで実施

2020/10/01

学際型融合研究が始動

2020/07/01

全学で遠隔授業始まる⑤

2020/07/01

全学で遠隔授業始まる④

2020/07/01

全学で遠隔授業始まる③

2020/06/01

全学で遠隔授業始まる②

2020/06/01

全学で遠隔授業始まる①

2020/04/01

正しい知識と理解で冷静な行動を

2019/06/01

学生の“市民性”を養う

2019/03/01

東日本大震災から8年

2018/11/01

地域の課題と向き合い健康を多面的に考える

2018/10/01

研究成果を通じて大学の魅力を語る

2018/09/01

両国のQOL向上を議論

2018/03/01

地域と連携した多彩な活動

2018/02/01

企業と連携しPR動画を制作

2017/11/01

世界最高峰の舞台で4位

2017/10/01

【健康科学部社会福祉学科】PA型教育に取り組む

2017/06/01

語学や文化の魅力に触れる

2017/03/01

熊本での実践的な学びを地域社会に生かしたい

2016/08/01

学びの基礎と広い視野を培う

2016/04/01

IoT技術とデザインを融合

2016/02/01

生物学部から1期生が間もなく卒業

2015/12/01

産官学連携の強み生かし社会のニーズに応える

2015/11/01

大学の知を地域へ、世界へ

2015/10/01

政治経済学部の自治体インターンシップ

2015/08/01

たかなわ子どもカレッジが本格始動

2015/05/01

HTICの新キャンパスがオープン