特集
2022/08/01今年度から新設された国際学部国際学科は、「頭と心と体で学ぶ」をテーマに、グローバル時代に必要な力を養成する多彩なプログラムを展開している。昨年度まで教養学部国際学科として、50年の歴史で築き上げた伝統を柱にしつつも、新たに1年時のカリキュラムから必修科目で海外留学を盛り込むなど、バージョンアップを図っている。
国際学部では夏季・冬季のセッション科目で短期留学「GLOBAL STUDY TOUR A」が開講される。この春に入学した新入生約200人は、夏季・冬季の半数ずつに分かれて、アメリカ・ハワイやデンマーク、カナダなど、自身が希望する研修先へ約10日間留学することになる。語学力を磨くとともに各地の文化や伝統に触れ、国際学の基礎を培うことが目的だ。荒木圭子学部長は、「短期間でも1年時から全員が異文化に出会うことで、それぞれの4年間が豊かになる。さらに、学部内での研究、学生活動がより活発になると期待しています」と狙いを語る。
4月のガイダンスでは、「GLOBAL STUDY TOUR A」の説明会が開かれた。学生たちは、夏季・冬季のどちらで受講するかを選択。夏季の受講者には留学先としてハワイ、カナダ、デンマーク、タイ、フィリピン・セブ島の5カ所が用意されたほか、コロナ禍の社会情勢や金銭面に不安を抱える学生向けに国内プログラムも設定され、学生たちはその中から研修先を選択した。
各地で独自のプログラム「学生の背中を押す経験に」
春セメスターは留学先ごとのグループでガイダンスを実施。教員たちが練り上げた研修スケジュールやコロナ禍で変化する出入国時の注意点が伝えられた。
また、ハワイ東海インターナショナルカレッジやデンマークの東海大学ヨーロッパ学術センターといった学園の施設を拠点にした研修や、ホームステイしながらイングリッシュスクールに通い、現地の大学生と交流を深めるプログラムなども発表。説明を聞いた学生たちは、「留学が夢だったので、どのような経験ができるのかとても楽しみ」「自分の英語力がどこまで通用するのか試してみたい」「帰国後も現地の人たちと交流を続けられるように、期間中は多くの人とコミュニケーションをとりたい」と目を輝かせていた。
学科長の小山晶子教授は、「現地で自分が”外国人”になることは、普段生活している日本社会を違った視点で見るきっかけにもなります。海外へ一歩を踏み出す経験は、成功、失敗を問わず、必ず新たな挑戦に対して学生の背中を押すきっかけとなるでしょう」と話している。
この春の国際学部開設と合わせて、湘南校舎11号館3階に学生ラウンジ「をちこち」がオープンした=写真。移動可能な机やイス、ホワイトボードが設置されており、部屋の中央には各席にコンセントのついたワークスペースが完備されている。アクティブラーニング形式の授業やプロジェクト活動に活用されているほか、教員同士のミーティングなどにも利用されている。
「をちこち」は「あっちこっち」を意味する大和言葉で、教員同士の複数回にわたる検討会で決定した。荒木学部長は、「候補の中にはポルトガル語やハワイ語をはじめ、外国語のキーワードもありました。ただ、学生たちには日本で、そして東海大学で学んでいることも大切にしてほしいと考え、あえて大和言葉から選定することに決めました」と振り返る。そして、「グローバル人材として活躍するうえで、自身のルーツを認識するのは重要。学生たちには、”をちこち”に興味を持ちながら、多彩な活動の拠点にしてほしい」と語っている。
国際学科7月20日に湘南校舎で、韓国・国民大学校の李元徳教授を招いた講演会を開催した。同学科開講科目「入門ゼミナール」の中で実施したもの。同授業は、大学の授業の受け方やリポートの書き方を伝えるとともに、各国の文化や歴史に触れながら国際的視野を養ってもらおうと開かれている。
当日は、司会を務めた金慶珠教授が、戦後日韓関係史を専門とする李教授の経歴を紹介。李教授は、「韓国の新政権発足と日韓関係」をテーマに講演し、「現在の日韓関係は1965年の修交以来最悪といわれている」と語り、慰安婦合意問題、徴用工裁判、安全保障、対北朝鮮政策について実情を説明した。
講演後には李教授と金教授によるディスカッションも行われ、学生からは、「日韓問題は社会的にも注視されているテーマなので、基礎から学べてよかった」「ニュースなどで聞いたことのある言葉を解説してもらい、理解が深まった」といった感想が聞かれた。
授業後には、国際学科の教員が集まり、李教授とのランチミーティングも行われた。日韓関係や円安問題、エネルギー危機などについて議論し、李教授は、「東海大学では今年度から国際学部を開設されましたが、社会情勢が大きく変化する現代における素晴らしい取り組み。ぜひ国際貢献、そして日韓の友好につながる人材を育成してほしい」と話していた。
教養学部国際学科の“先輩たち”も多彩なフィールドワークを通じて学びを深めている。7月25日には、学科開講科目「人間学2」を受講する学生5人が、茨城県常総市にあるブラジル学校「エスコーラ・オプション」を訪問した。同学科が加盟している「ユネスコスクール支援大学間ネットワーク」の教育事業「UNESCOユースセミナー」に向けた活動の一環として実施されたもの。
当日は、学生たちがブラジル学校に通う15人の高校生からポルトガル語を学んで親睦を深めた後、グループに分かれて「ジェンダーとセクシュアリティ」をテーマに議論した。引率した小貫大輔教授は、「ゲームやクイズを取り入れ、生理用品を使った実験を交えるなどして参加型に努めた」と振り返る。「文化と言語の壁をいかに克服するか、さまざまな工夫が功を奏した。日本語のできる高校生の力を借りたり、英語も使ったりしながら具体的な意見交換もできた。こういった経験は、今後世界へと足を踏み出す勇気にもつながる」と振り返った。
国際学科ではこれまでにも、国内のインターナショナルスクールへの訪問だけでなく、宿泊型のセミナーや、コロナ禍のもとではオンラインセミナーを開いてきた。環境や多様性、教育などをテーマに多様な議論の場を設けており、小貫教授は、「国際学部に生まれ変わっても継続していく。多くの学生に国内でもさまざまな経験を積んでほしい」と話している。
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