特集
2024/05/01寄港地で多彩なフィールドワーク 文化交流通して大きく成長
「第53回海外研修航海」の研修団が、3月24日に静岡市・清水港に帰港した。5年ぶりとなる海外航路で実施された今回は、2月21日に清水港を出港後、父島(東京都小笠原村)、マジュロ(マーシャル諸島共和国)、ヤップ(ミクロネシア連邦)、宮古島(沖縄県宮古島市)に寄港。船内では、洋上卒業式や団役員による洋上講座といった多彩なプログラムが行われた。
1968年から実施されている海外研修航海は、文化理解・環境問題・協調性などを実践的に学ぶ学園独自の教育プログラム。今年度は「行こう太平洋 きっとなにかがある」をテーマに、海洋調査研修船「望星丸」(国際総トン数=2174トン)で各地を巡った。
清水港を出港した研修団は、2月23日から25日に父島、3月4、5日にはマジュロへと寄港した。マジュロでは、学術シンポジウム=下記事参照=が開かれたほか、マリンスポーツ体験や地質学に関するフィールドワークなども行われた。ヤップへの航行中には、船上での運動会や星空観察会なども実施され、学生たちは「大海原に囲まれて忘れられない経験ができた」「日本では見たことのない美しい夜空に感動した」と振り返った。
13日にヤップに上陸した研修団は、14日に3グループに分かれて現地研修に取り組んだ。太平洋戦争の戦跡や現存する巨大な石貨を見学したほか、島独自の食文化も楽しみ、「社会人になってもなかなか行けない場所。異文化交流の魅力を肌で感じた」と口々に話していた。
16日の洋上卒業式、18日の1日船長体験など船上ならではの多彩なプログラムを経験。19日には宮古島でビーチクリーン活動や熱帯植物園見学、工芸体験などに臨んだ。同島では、東海大学連合後援会、沖縄県後援会の会員らが入港・出港セレモニーを開催。学生たちにエールが送られた。
33日間の航海を終えた研修団は、24日に清水港に到着。清水マリンビルで挙行された帰港式では、梶井龍太郎学長代理が、学生長の吉田真依さん(海洋学部4年=当時)に修了証を授与し、団長の八木英一郎教授(経営学部)が団旗を返還した。式典後には、団役員から研修学生一人ひとりに修了証が手渡され、学生たちは「あっという間の33日間でしたが、コミュニケーション力を磨けて国際的な視野も広がった」「仲間と別れるのは寂しいけれど、この経験を胸に成長した姿で再会します」と目を輝かせていた。
両国の学生が知識と経験を共有 マジュロで学術シンポジウム
研修団がマジュロ寄港中の3月5日には、マーシャル諸島短期大学(CMI)ウリガキャンパスで学術シンポジウムが開かれた。東海大とCMIの主催で国際機関「太平洋諸島センター」の後援の下、「グローバル・シティズンシップ:日本とマーシャル諸島の学生がともに考える未来」をテーマに、両国の暮らしからグローバルな共通課題を見いだし、知見や経験の共有を図ろうと企画された。開会式では、団長の八木教授があいさつした後、CMIのコットンスティーブンソン副学長や駐マーシャル諸島共和国特命全権大使の田中一成閣下が学生たちを激励した。その後、CMIの学生の案内でキャンパスを見学したほか、ランチョンセッションを通して交流を深めた。
午後の学生討論のセッションでは、人権・食・環境・持続可能性などの幅広い分野から、文化コミュニケーション・教育・海洋・農業・健康の分科会を設け、議論を深めた。閉会後には、CMIの学生たちからコーラスと民芸品のプレゼントが贈られた。研修学生は、「船内でも英語の勉強や学生討論で使う資料などを準備してきたので、終わったときには達成感と充実感でいっぱいだった」「初めは緊張してうまく話せない場面もあったが、国際的な視野が広がり、貴重な経験を積めた」と話していた。
私にとっての第53 回海外研修航海は、太平洋の大自然に感動し、寄港地の人々と交流し、長い航海の中でたくさんの驚きと学び、そしてかけがえのない仲間との強い絆を得る機会となりました。
大自然について言えば、特に父島とマジュロの美しい海を紹介したいと思います。父島では、繁殖シーズンを迎えていたザトウクジラの親子を多数観察しました。また、父島の名所の一つであるハートロックを囲う大きな虹に、みんなで声を出して興奮したのもいい思い出です。また、マジュロの海の色は、人生で初めて見る「青」でした。まさに〝言葉で表すことのできない〟美しい景色が目の前に広がり、自分が透き通った水の上に浮いているような気分になりました。
寄港地研修では、現地の方々に大変お世話になりました。特に、マジュロでのシンポジウムが印象的でした。マーシャル諸島短期大学(CMI)の学生とのさまざまなトピックについてのディスカッション=右記事参照=では、慣れない英語での会話に戸惑いながらも、時間が過ぎるうちに言語の壁を超えたコミュニケーションを取ることができました。CMIのVasemaca. A. Savu教務部長による閉会式のスピーチで、私たちに向かってかけられた、「日本人はシャイだと言われますが、今日のあなたたちはシャイではありませんでした」という言葉が非常に心に残っています。流暢とはいえない英語でも、明るく相手と向き合えば心は通じるのだと学び、自信につながりました。
そして3月16日、私を含む11人の学部4年生は洋上で卒業式を迎えました。私たちの学年は、コロナ禍のために1年生のときには入学式が開かれませんでした。4年間を振り返ってみても、人と人とのつながりが希薄になりがちな学生生活でしたが、この洋上卒業式では研修団の仲間たちが、4年生一人ひとりに向けて卒業を祝ってくれました。私は本当に幸せです。水平線の先に島一つ見えない大海原で、祝福を一身に受けられたこの洋上卒業式は、唯一無二の思い出となりました。
33日間を共に過ごした研修団の絆は、大切な財産となりました。この家族のような仲間の存在は、私たちの今後の人生を確実に豊かにしてくれると信じています。 航海が終わった後も、それぞれが所属するキャンパス内で集い、遠く離れていてもSNSで連絡を取り合うなど、仲間たちとの交流は続いていきます。現在、「meet again osec53」という新しい活動を計画しています。この研修航海での出会いや培った経験を基に、研修航海の広報活動や海洋環境の保護を目的としたビーチクリーン活動を展開する予定です。これからも、この仲間たちとさまざまなことに挑戦していきます。
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