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特集

2023/04/01
教育の現場から
話題の授業や地域・企業と連携した課外活動など、東海大学の特色ある教育現場に迫ります。

【東海大学 2022年度研修航海】

国内各地を巡り横浜に帰港

五感で触れた日本の魅力「ずっと忘れない30日間に」

東海大学の海洋調査研修船「望星丸」(国際総トン数=2174トン)で国内各地を巡った「2022年度研修航海」の研修団が、3月20日に横浜ハンマーヘッド(神奈川県)に帰港した。今回の航海は2月19日に清水港(静岡県)を出港し、30日間で小笠原(東京都)や八代(熊本県)、広島などに寄港。パシフィコ横浜で開かれた帰港式では、研修学生や団役員、海洋学部航海工学科航海学専攻の練習学生ら合計137人が、関係者からねぎらいを受けた。 ※肩書、学年は当時

晴天に恵まれた横浜ハンマーヘッドに着岸する望星丸

1968年から実施されている研修航海は、異文化理解・環境保護・協調性の大切さなどを実践的に学ぶ東海大独自のプログラム。新型コロナウイルス感染症の影響で3年ぶりの実施となった今回は、国内各地の寄港地で文化や歴史に触れた。船上でも団役員や卒業生らによるセミナーや、この春卒業を迎えた4年生に向けた洋上卒業式など、多彩なイベントが開かれた。
 

山田学長(左)ら関係者に

研修の成果を報告する矢野さん

帰港式では、研修航海企画委員長を務める山田清志学長が式辞に立ち、「寝食を共にした仲間は一生の友人になるはずです。この絆を大切にして、今後の人生に生かしてください」とエールを送った。その後、研修団の斉木ゆかり団長(語学教育センター教授)と望星丸の上河内信義船長、学生長の矢野朝子さん(観光学部4年)が研修の成果を報告。矢野さんは、「寄港地では豊かな自然や文化に触れ、地域の人たちと交流を深めてきました。船上では団役員や乗組員の方々と一つになって多彩なプログラムに挑戦し、全てがかけがえのない経験になりました。支えてくれた皆さんにありがとうと伝えたい」と感謝を述べた。
 
修了証を手にした学生たちは、「新型コロナ禍の大学生活は、オンラインでの授業やイベントばかりだった。自分の五感を存分に使い、日本の魅力や友情の大切さを学んだ。この30日間をずっと忘れない」「共同生活の中では、ときに仲間と意見をぶつけ合うこともあったが、その分友情が深まった。別れるのは寂しいが、今後の学生生活でも努力を続け、成長した姿でまた再会したい」と充実した表情を見せていた。

 

【3/10〜11】熊本地震の爪痕から災害への備え学ぶ

震災遺構ミュージアムを見学する学生たち

研修団は3月10日、八代港(熊本県)に寄港。付属熊本星翔高校吹奏楽部による歓迎演奏の中、熊本キャンパスの教職員や後援会をはじめとした校友会員、同キャンパスの学生ら多数が出迎えた。寄港セレモニーには、熊本県のキャラクター・くまモンも登場した。
 
一行は下船後、阿蘇実習フィールドへと移動。2016年の熊本地震で多大な被害を受けた旧阿蘇校舎1号館を熊本県が整備した「震災遺構ミュージアム」を訪問し、翌11日には熊本地震からの復興に向けて工事が進む熊本城も見学した。

 

出港直前にはスーパーウィングスが空から

エール

11日の出港セレモニーでは、望星丸甲板で荒木朋洋学長補佐がスピーチ。「東日本大震災が発生した3月11日に、皆さんはくしくも熊本地震の被災地に足を運びました。災害への備えの重要性を実感してくれたと思います」と語りかけた。
 
出港直前には、木之内均九州キャンパス長が率いる小型航空機によるスカイスポーツチーム「スーパーウィングス」のフォーメーションフライトも望星丸上空で披露されるなど、盛大に研修団を見送った。

 

【3/12】山田学長から学位記を授与 洋上で卒業生の門出を祝う

式典後には参加者全員で記念撮影

3月12日には、瀬戸内海上で4年生の「洋上卒業式」が挙行された。八代から乗船した山田清志学長が一人ひとりに学位記を授与したほか、斉木ゆかり団長が松前達郎総長の祝辞を代読。3年生以下の研修団を代表して、副学生長の桑嶋雄一郎さん(農学部3年)がはなむけの言葉を送った。
 
式典後、卒業生たちは「美しい海に囲まれながら卒業を祝ってもらい、一生の思い出ができた」「限られた時間で準備を進めてくれた後輩や団役員に感謝しています」と笑顔を見せていた。
 
同日夜には、卒業生を祝うパーティーも開かれた。グループに分かれて得点を争うクイズ大会やビンゴ大会のほか、上河内信義船長が歌を披露し、会場は盛り上がりを見せていた。

 

各寄港地でのプログラム

 

【2/19】清水港

清水マリンビルで出港式が開かれ、激励に訪れた多くの関係者や保護者らと色とりどりの紙テープを投げ合い、大海原へと船出した。

 

 

 

 

【2/22〜24】小笠原

自然や平和、環境に関する3つのコースに分かれて研修。小笠原海洋センターでは、アオウミガメの生態について学んだ。

 

 

 

 

 

【3/4〜6】石垣島

島内の散策に加え、隣の西表島にある東海大学沖縄地域研究センターを訪問。マングローブなど豊かな自然に触れた

 

 

 

【3/8、9】種子島

日本の宇宙開発を支える種子島宇宙センターや、鉄砲伝来からの歴史を伝える「鉄砲館」などで歴史や文化を体験。

 

 

 

 

【3/13~15】広島

呉市の「大和ミュージアム」や日本三景の一つ宮島などを訪問。広島市内で、平和の尊さについてもあらためて理解を深めた。

 

 

 

 

 

【3/17、18】新宮

日本の信仰文化と雄大な自然が融合した神聖な雰囲気に包まれながら、熊野本宮大社や熊野古道、那智大社などで知見を広げた。

 

 

 

 

 

【東海大学後援会】全国につながる大学の輪 各寄港地で研修団にエール

広島では後援会の会員のほか、広島広域都市

圏マスコットキャラクター「はっしー」も

出迎えた

各寄港地では、出入港時に東海大学後援会を中心に、同窓会や白鷗会など校友会の会員らが研修団にエールを送った。
 
帰港式で祝辞に立った連合後援会の二重作昌明会長は、「全国でつながる東海大の輪を実感できたのではないでしょうか。研修団には、4月から社会という大きな荒波に立ち向かう学生もいます。どこにいても迷ったときに勇気づけてくれる先輩たちがいることを忘れないでください」と語り、実際に石垣島や種子島で研修団を激励した横断幕を紹介した。

 

横断幕は帰港式でも披露された

学生たちは、「各地で“航海を楽しんでね”と励ましてもらい、力になりました」「東海大の関係者はもちろん、各地のゆるキャラも私たちを出迎えてくれた。研修航海に参加しなければできない経験だったと感じています」と話していた。

 

 

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