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特集

2015/04/01
教育の現場から
話題の授業や地域・企業と連携した課外活動など、東海大学の特色ある教育現場に迫ります。

ものづくり学生サミットin湘南

企業の課題にチャレンジ
問題解決能力を身につける

工学部が2014年度初めて実施した、産学連携による公募型問題解決コンペ「ものづくり学生サミットin湘南」の表彰式が、2月26日に神奈川県厚木市のレンブラントホテル厚木で開かれた。コンペに参加した学生や教職員、協力した企業関係者ら約400人が出席。各企業の社長や担当者から、最優秀賞や優秀賞に選ばれた学生に賞状が授与された。 ※学年は当時

このコンペは、学生が企業から出題された実務や将来に向けた課題=表参照=にチャレンジし、問題解決能力の高い人材を育成しつつ、新しい発想による研究成果を発掘することを目的に企画された。建設や機械製造、情報通信、ソフトウエア開発など幅広い分野から14社が協力。友人同士やゼミの仲間、学科の有志で結成した79チーム313人の学生が参加した。

学生たちはまず、昨年7月に開かれた説明会に参加。企業から出された16テーマの中から興味のあるものを選んで応募した。9月下旬から本格的に課題解決に向けた準備を開始。アドバイザーを務める工学部の教員のサポートを受けながら、メンバー同士でプロジェクトの進め方を相談するところからスタートした。

それぞれ分担を決めて週1回定例会を開いたグループもあれば、SNSを使って連絡をとり、各自で作業するグループもあるなど進め方もさまざま。最初はメンバー同士の連絡がうまくいかず、途中でプランを修正するグループもあった。井上雅文さん(工学部3年)は「授業とは違う経験ができると期待して応募した。失敗と修正を重ねる中で、メンバー間でこまめに連絡をとって情報を共有するなど、プロジェクトを進めるうえで大切なことが身についた」と語る。



①企業の担当者を招いて開かれた7月の説明会
②8月の開会式を経て、9月からチームごとに課題解決に向けてプランの検討を開始
③合間にはアドバイザーの教員と打ち合わせも重ねる
④1月の成果発表会で各企業の担当者や学生を前に提案をプレゼンテーション


仲間と協力しながら失敗を乗り越える
一方で、企業の提示した課題の意図をより明確に知ろうと担当者に連絡をとって面談するグループも。インターネットや本で調べるだけでなく、参考になる建築や商品を見に行ったり、企業を訪ねて必要なソフトウエアの使い方を教えてもらったりしながらチームごとに試行錯誤を重ねた。

宮川とも子さん(同)は、「知識として持っていただけの情報を、自分なりに解釈できるようになった。自発的な学びを実感できました。社会に出てから新しい仕事に挑むときの基礎が身についたと思う」と振り返る。木村裕紀さん(同)は、「仲間とアイデアを出し合いながら必要な知識を得ていく中で、子どものころに友達と工夫しながら遊んでいたような、わくわくした気分をまた味わえた」と話す。

学生たちの頑張りに企業からも高い評価

学生たちは12月末に提案書を企業に提出。建物の基礎を石膏で作り労働力の削減を目指す提案や、パソコンのスライドを指の動きで操作できる機器、利用者の交流を促す大学の図書館など、多彩な提案が集まった。1月下旬に湘南校舎などで開かれた成果発表会でプレゼンテーションを行った後、企業による選考を経て各賞が贈られた。 

26日の表彰式では、企業の担当者が学生たちの成果を講評。「新分野に挑戦することの大切さを思い知らされた。企業としても参考になるアイデアが得られました」「今回のチャレンジを通して企業人に大切な力が身についたのでは。皆さんが、社会で活躍する日を楽しみにしています」といった声が寄せられた。

式典終了後には、担当者と懇談した学生たち。「最後までやりきった達成感は格別。これからも新しいことに挑戦していきたい」と充実した表情で口々に語っていた。

(写真上)最優秀賞を獲得したチームの代表によるプレゼンテーションも実施
(写真下)優秀な成果を収めた各チームに賞状などが渡された表彰式
 
学部長に聞く
自ら学び続ける力を養う舞台に
工学部 吉田一也 学部長(東海大学副学長)

企業で行われている本当のものづくりを経験し、本学の教育目標である「自ら考え」「集い」「挑み」「 成し遂げる力」を身につけてほしい。このコンペは、そうした思いで企画したものです。

本学部ではこれまでにも、アクティブ・ラーニングの手法を授業に取り入れ、1年次の「入門ゼミナール」にグループでのプロジェクト型学習を導入するなど教育の改革に取り組んできました。いずれも学生に主体的な学びの場を提供したいとの考えに基づくものですが、今回の取り組みは企業の皆さまの協力を得た産学連携による新たな試みとなります。

大学とは本来、知識を習得するだけでなく、学び方を身につける場でもあります。この取り組みはその意味で、大学教育の原点に立ち返るものでもあると考えています。自ら学び続られることは、社会人として長く活躍するためには欠かせない力でもあるのです。

約半年間にわたる挑戦を通して学生たちは、私たちが想像していた以上の成果を出してくれました。自信と達成感にあふれた姿を目にし、この取り組みが学部の活性化にもつながると確信を持つことができました。

2015年度も課題を一新して開催します。ものづくりをキーワードにした本学部ならではの取り組みに、多くの学生が参加してくれることを期待しています。

 
☆協力企業の声☆
高度な課題に取り組む中で人間的にも大きく成長
株式会社アビスト
東日本事業本部東京第一支店長
石井祐吾さん

今回は工学部のゆるキャラを考案したうえ、3D - CADと3Dプリンタを使って製作するという、少し高度な課題を出したのですが、学生たちは明確にコンセプトをまとめて3Dモデルを完成させ、論理的なプレゼンテーションを用意するなど大変熱心に課題に取り組んでくれました。当初は不安な様子だった学生が、途中で投げ出すことなくやりきったことで自信もついたのではないでしょうか。ぜひ我が社に就職してほしいと思うくらいに、大きく成長してくれました。企業側から見ても、学生さんに弊社の存在や特色を知ってもらうことができる貴重な機会になったと考えています。

学生のニーズに応えた生きた学問を学ぶよい素材
株式会社クリエイティブジャパン
代表取締役社長
熊澤修一さん

「ものづくりサミット」は、生きた学問を教えるためのよい素材になったのではないかと思います。学生にとっては、在学中に企業との接点を持ちビジネスマインドを感覚的に体験することができるという点でも、大変有意義だったのではないでしょうか。アメリカと比べて日本で企業を立ち上げる学生が少ないのも、企業がどういうものなのかを知らないことが原因の一つにあると考えています。特に単位が与えられるわけではないこの取り組みに、300人をこえる学生が参加したことは、学生のニーズがあったという証明でしょう。参加した学生たちが社会に出て活躍することで、日本全体の活性化にもつながると期待しています。

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