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特集

2015/12/01
教育の現場から
話題の授業や地域・企業と連携した課外活動など、東海大学の特色ある教育現場に迫ります。

産官学連携の強み生かし社会のニーズに応える

工学部航空宇宙学科航空操縦学専攻

2006年度に開設され、10周年を迎えた工学部航空宇宙学科航空操縦学専攻。航空会社の自社養成と国立の航空大学校を除く、民間教育機関としては最も多い180人の操縦士を航空業界に送り出してきた。今年9月には操縦士資格を取得した4年生全員の就職先が決まるなど、その教育への評価は年々高まっている。

航空操縦学専攻主任の柴田啓二教授は、「3年生までにアメリカと日本の事業用操縦士の免許を取得できるのが大きな特徴」と語る。学生は、1年生で飛行機を操縦するために必要な知識を習得。2年次から3年次の間の15カ月間、ノースダコタ大学(UND)に留学して、事業用操縦士の資格を取得する。

利根川豊教授は、「アメリカへの正規留学により、先進的で優れた訓練システムのもとで両国の資格が取れるのは東海大だけ。双方の課程を学ぶことで、操縦士に必要な国際性と広い視野や、学んだ技術の応用力が身についてくる」と語る。

こうした教育を支えているのが、全日本空輸(ANA)やUNDとの連携と、国土交通省などによる支援だ。中でもANAとは専攻の開設前から協力。同専攻のカリキュラムは、ANAが自社で行っている操縦士の教育課程に準じて編成されているほか、現役の操縦士や教師が教壇に立っている。また、UNDにも定期的に同社の社員が訪れて、学生の訓練状況や教育内容をチェック。教員とミーティングを行って、教育内容の改善に生かしてきた。

高いレベルのスキル培うANAとの連携 

こうした取り組みは、学生たちにも好評だ。河井亮太さん(4年)は、「現場で活躍している方々の講義を通して知識の幅が広がる。航空機の安全は多くの人のチームワークで成り立っていることを実感しています」と語る。

今年度の秋学期では、ANAの現役教官で航空管制の仕事に携わってきた経験を持つ関根弘氏が1年生の「航空管制交話法」の授業を担当。ANAで開発した教材を使いながら、航空管制システムにかかわる法律や業務を教えている。短期集中型で行われている授業では、最初に前日の授業で習った内容を復習。関根氏が出す問題に学生が順番に回答していくほか、学生からの質問にも答える。その後、関根氏自身の経験や実例を交えて、授業が展開されていく。

日本での座学はUNDへの留学とも連動。留学後にアメリカの基準に従った講義を英語で受け、フライト訓練を重ねる。石田由佳さん(同)は、「そのサイクルを通して、専門知識が具体的なイメージとともにしっかりと身につきます」と話す。

卒業生がサポート さらに充実した教育へ 
同専攻ではこれまでにも、同窓会が就職活動に取り組む4年生との交流会を定期的に開き、卒業生が試験官役を務める面接講座を実施して社会人の視点から学生に助言するなど、卒業生が在学生をサポートする環境があった。

それが今年度からさらに充実。同窓会を代表して、1、2期生の有志が初めてUNDを訪問した。学生が飛行訓練で学んだ内容を共有するミーティングに参加したほか、飛行訓練に同乗し現役操縦士の視点で在学生にアドバイスを送った。

柴田教授は、「こうした取り組みができるのも、10年にわたる教育があったからこそ。これからもその強みを生かしつつ、優秀な操縦士を数多く世に送り出していきたい」と話している。

◎卒業生の声



松宮純恵さん(1期生・IBEXエアラインズ勤務・写真左)

航空操縦学専攻には、同期の仲間同士が切磋琢磨しながら同じ目標に向かっていく環境があったと感じています。その仲間たちとは卒業してからも互いに励まし合っており、大きな財産になっています。また、英語教育が充実しているのも特徴ですね。会社には外国人のキャプテンもいて、コミュニケーションをとる機会が数多くあります。そんなとき、在学中に身につけた、英語で意思疎通を図り議論する能力が役に立っています。

片野裕仁さん(2期生・全日本空輸勤務・写真右)

操縦士の仕事をする場合、社会人になってからはセルフマネジメントがとても重要になります。大学ではキャリアアップしていくために必要な、自ら目標を見据えて学び続ける力が身についたと感じています。4年間で操縦士のライセンスと学位を取れるのも東海大ならではの魅力です。


◎専攻主任に聞く

大空への夢をかなえる
工学部航空宇宙学科航空操縦学専攻主任 柴田啓二 教授

人々の移動や物流に、航空業界の果たす役割は年々大きくなっています。操縦士の需要も高まりを見せており、今後15年間に毎年200人から300人の操縦士が必要になるといわれています。国も経済の発展に航空が重要な役割を担うと認識する中、操縦士の確保に向けて本専攻をはじめとする民間養成機関が果たす役割は、今後ますます大きくなると予想されます。

本専攻では操縦士の資格が取れるだけでなく、他学部の授業を履修し、卒業研究に取り組むことで、広い視野を培い、自ら考え、人に伝える力が身につくカリキュラムを組んでいます。今年9月時点で操縦士の資格を取った4年生全員の就職が決まったことは、これまでの教育と卒業生の活躍が航空業界から一定の評価をいただいている結果だと思います。

これからも、ANAやUND、国土交通省など多くの方々の協力を得ながら、操縦士になりたい多くの人たちの夢をかなえられるよう、より充実した教育を展開していく考えです。

[関連記事]航空操縦学専攻が10周年
 
(写真上)「自社養成課程の訓練生の様子を教えてくれるのでモチベーションアップにつながっている」と好評な関根氏の授業
(写真中)UNDにある東海大学飛行訓練センター
(写真下)卒業生と在学生のミーティング

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