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2020年8月1日号
【大磯病院】地域連携で新型コロナに対応
県の重点医療機関として

新型コロナウイルスの感染者数が再び増加している。5月末に政府の緊急事態宣言が解除されたが、7月に入ると東京都で1日の新規感染者数が200人をこえる日が多発。隣接県でも、連日数十人の感染が報告されている。こうした状況の中、神奈川県大磯町にある医学部付属大磯病院では、2月から帰国者・接触者外来を開始。5月からは県の重点医療機関として中等症の陽性患者の診療にあたっている。

大磯病院が県の依頼を受けて「帰国者・接触者外来」を開始したのは2月21日。以後、総合内科と呼吸器内科を中心に、全診療科の医師が交代で診察や検体の採取にあたってきた。

さらに、県の重点医療機関として中等症の陽性患者を受け入れるため、1病棟を感染症専用(30床)に改修。陰圧室や防護服着脱用の前室、病室内で使用できるポータブルレントゲンなどの設備や機材を整えた。同時に、地域包括ケア病棟の患者に他の病棟や病院に移動してもらい、一時的に休床して感染症病棟担当の医療スタッフを確保した。
 
同病院の新型コロナ対策本部長を務める島田恵副院長(医学部教授)は、「伊勢原市にある医学部付属病院の協力を得て、病棟のゾーニングや患者さんの院内の搬送ルートなどを決定。付属病院でも当院の患者の診療内容がすぐに確認できるようオンラインでつなぎ、重症化した患者の付属病院への転院や、逆に安定した患者の当院への受け入れなど、協力体制を強化した」と振り返る。

感染症病棟には経験豊富な看護師を配置。開床前には医師と看護師が、第二種感染症指定医療機関である平塚市民病院を視察して実務のノウハウを学んだ。

「5月8日に初の患者さんが入院したときは、本当に緊張しました」と、病棟責任者の中山和美主任看護師は語る。「感染症病棟では、患者さんのケアから心電図の計測、病棟内の清掃、配膳、書類の整理まですべてを看護師が担当しなければなりません。病棟内のものを外に持ち出さないよう気をつけ、帰宅前にはシャワーを浴びるなど、感染対策を徹底しています」

7月27日までに受け入れた患者は25人。同日現在も3人が入院中だ。

島田副院長は、「付属病院をはじめ、県の機関や大磯町消防本部、近隣病院などと連携し、職員が一丸となって乗りきってきました。スタッフも多様な状況に対応できるようになっています。感染第2波の到来が懸念されていますが、今後も各機関と連携し、新型コロナに立ち向かっていきたい」と話している。

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(写真上)新型コロナ対策本部のメンバーが、本部長の島田副院長を中心に連日ミーティングを実施
(写真下)感染症病棟の前室で看護師が慎重に防護服を脱ぐ