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特集

2013/06/01
教育の現場から
話題の授業や地域・企業と連携した課外活動など、東海大学の特色ある教育現場に迫ります。

課程資格教育センターの新たな取り組み

美術館と連携しインターンシップ
未来のキュレーターを育てる


学芸員を目指す学生に、実践的な学びの場を提供しよう─。課程資格教育センター博物館学研究室が、彫刻の森美術館(神奈川県箱根町)と連携したインターンシッププログラムを今年度から実施。ゴールデンウイークに同美術館で開かれた、ワークショップの準備・運営を手がけた。




「東海大学×彫刻の森美術館 キュレーターの“たまご”プロジェクト」と名づけられたインターンシッププログラムは、学芸員(キュレーター)の資格取得を目指す学生が対象。ワークショップの企画立案やガイドツアー、作品解説など、教育普及事業の実務を中心とする実践的な学びの場を美術館に提供してもらい、学生がインターンとして1年間を通じてそれらを体験的に学ぶ。

活動のスタートを切ったばかりの今年度は、課程資格教育センター(湘南校舎)の開講科目を履修する大学生と大学院生、計15人が参加。「インターンの学生を美術館に派遣する“実地体験”にとどまらず、学内での事前・事後指導、美術作品の取り扱いや修復保存などを学ぶ研修会、連続講座も積極的に開催していく計画。面白い! と現場を体で感じるのは大切ですが、理論と実践の両面から、学生の学びをサポートしていきたい」と、同センターの篠原聰准教授は意気込みを語る。

協力企業の訪問など幅広い仕事を体験

プロジェクトでは、ゴールデンウイーク期間中に彫刻の森美術館で開かれるワークショップを活動の第1弾に決定。学生リーダーが中心となり、4月中旬から篠原准教授や同美術館の小林俊樹学芸員らと話し合いを重ねてきた。ワークショップは、「ブロンズペンダント」(4月27~29日)と「森のモノクル―ウョウョメガネで作品をみてみよぅ」(5月3~6日)の2つ。学生たちは参加者に配布するチラシやワークシートなどを制作するかたわら、ひもやプラスチック板などを提供してもらう協力企業を小林学芸員とともに訪問。企業の視点に立ち、いかに参加者に商品をアピールするのか――といった打ち合わせの現場も体験した。

「作品を展示・紹介するだけでなく、企業との関係を築いてより良いワークショップをつくり上げていくのも、学芸員の仕事の一つだと実感しました」と、リーダーの瀧澤宏明さん(文学部4年)は振り返る。このほか、メンバーの役割分担やシフトなども学生同士で調整。期間中は午前8時50分に始まる美術館スタッフの朝礼に参加した後、ワークショップの会場に移動し、受け付けや呼び込み、制作サポートなどを交代で担当した。

反省点を共有して今後の活動に生かす

「学年も所属学部もバラバラ、メンバーのほとんどが初対面だったので最初は少し戸惑いました。それでも皆で声をかけてフォローし合うことで、ワークショップを無事に終えられた。学芸員にはコミュニケーション力も求められると思うので、いい経験になりました」と話すのは、瀧澤さんとともにリーダーを務めた野城(やしろ)今日子さん(教養学部4年)。

メンバーたちは5月16日に湘南校舎で反省会を実施。「参加者からの質問にうまく答えられなかった」「事前の準備がもっと必要だと感じた」など、反省点や今後の課題などを話し合った。なお、次回のワークショップは7月に開催の予定。未来のキュレーターを育てる試みは始まったばかりだ。

学芸員に聞く
失敗から学んでほしい
彫刻の森美術館 事業部・学芸員 小林俊樹さん

大学との連携によるインターンシップは、当館にとっても初の試みです。そこで心がけたのは、「学生には大いに失敗をしてもらい、そこから何かを学んでほしい」ということ。成功体験も大事ですが、失敗から学んだことはその人の糧として残ると思うからです。そのためワークショップの準備や運営に際しても細かな指導はせず、学生の自発的な行動や判断を見守るようにしました。

たとえば、「ワークショップの参加者が少ないから、呼び込みをして!」と指示は出しますが、それを「いつ」「誰が」「どのように」やるのか考えるのは学生自身。初めての体験だから、うまくいかないこともたくさんありました。でも日にちが経つにつれて、リーダーを中心に自分たちで考え、実行する姿勢が身についてきました。今後もインターンシップは続きますが、学生たちがここで経験した“小さな失敗”が、社会に出てから役立ってくれればいいと考えています。

 
(写真上から)
▽参加者の制作をサポートする学生たち(左)
▽ワークショップの呼び込みも経験(右)
▽4月中旬には小林学芸員の引率のもと、ワークショップの協力企業の一つであるアクリサンデー(株)を訪問。ワークショップ会場で飾るサンプル選びにも携わった。写真右から学生リーダーの瀧澤さん、野城さん、アクリサンデーの担当者
▽反省会ではワークショップのスライドも上映し、全員で情報の共有を図った

 
「開かれた博物館」テーマに6月18日に湘南で公開講座
課程資格教育センターではインターンシッププログラムの一環として、博物館をテーマにした連続講座(全3回)を企画。その1回目が、6月18日の午後4時50分から湘南校舎14号館1階103教室で開催される。「世界をさわる手法を求めて─“手学問”が博物館を変える!」と題し、国立民族学博物館の広瀬浩二郎准教授が講演する(参加無料)。一般の学生や教職員、地域住民も聴講可能。問い合わせは同センター博物館学研究室(篠原)TEL0463-58-1211(内線3179)へ。

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