研究
2023/07/01医学部医学科の津川仁講師(基礎医学系生体防御学領域・総合医学研究所)らがこのほど、免疫力が低下した高齢者らに重篤な感染症を引き起こす腸管内病原性共生細菌「肺炎桿かん菌きん」に対する腸管粘膜の感染防御機構を解明。6月8日にアメリカの医学誌『PLoS Pathogens』オンライン版に論文が掲載された。
肺炎桿菌は自然界に広く分布し、ヒトの腸管内にも生息している。若齢健常者にはほとんど病原性を示さず、高齢者など免疫力が低下している場合に肺炎や肝膿瘍などを引き起こすが、なぜ選択的に病気を発症させるかは不明のままだった。
津川講師らは、肺炎桿菌を経口感染させた若齢マウスと老齢マウスの比較実験により、肺炎桿菌は老齢マウスの方が腸管粘膜内に侵入しやすく、その原因が、腸管粘膜に常在するマクロファージ(免疫細胞)の相対的存在量の加齢に伴う顕著な減少にあることを発見。
また、マクロファージは肺炎桿菌を認識すると「Gas6」と呼ばれるタンパク質を分泌し、Gas6と腸管粘膜上皮細胞の受容体「Axl」との結合を合図に上皮細胞間接着が強まり、腸管粘膜のバリア機能が高まって、肺炎桿菌の腸管粘膜内への侵入を抑制することも明らかにした。
津川講師は、「老齢マウスにGas6を投与すると肺炎桿菌の腸管粘膜内への侵入などが有意に抑制され、生存率も改善するという結果も出ています。高齢者の感染症予防法の開発につながる可能性が期待されており、臨床応用に向けてさらに研究を進展させたい」と話している。
2025/08/01
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