総合
2023/06/01令和5年春の叙勲受章者が4月29日付で政府から発表され、海洋研究所の平朝彦所長が瑞宝中綬章を受章した。
平所長は、西南日本に分布する地層「四万十帯」の研究を通じて、地球科学における「プレートテクトニクス理論」の確立に貢献。地球深部探査船「ちきゅう」の建造・運用計画にも参画し、統合国際深海掘削計画などを推進した。海洋研究開発機構の理事長や日本地質学会会長などを歴任し、2020年度から海洋研究所の所長を務める。
1946年に宮城県で生まれた平所長は、「小学生のころは化石を集めるのが好きで、父の知り合いだった東北大学の地質学の先生をよく訪ねていた。はっきりとは覚えていないが、当時から研究室の雰囲気が好きだったのかもしれない」と語る。高校ではヨット部に所属し、「一日中海に出向いては自然の豊かさや雄大さを満喫しつつ、地元の人々や卒業生たちに練習場所や活動費の相談をしていた。そのときに培った交渉術は今でも役に立っている。勉強はおろそかだったので大学に行くまでに1年浪人することにはなってしまったが、いい経験だった」と苦笑いで振り返る。「どんな経験も今後の人生で貴重な財産になり得る。学生諸君や若い研究者には、目標が見つかったときには積極的にチャレンジしてほしい」とメッセージを送った。
海洋研究所所長に就任して以降、キャンパスの目の前に広がる駿河湾をフィールドに研究活動を続けている。「これからも多くの人たちと協力しながら海洋地質学研究の進展に貢献したい」
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