学園
2023/11/01
世界各国の柔道家と汗を流した
付属高校柔道部の選抜チームによる柔道海外研修が9月27日から10月5日まで、ポーランド・グダニスクとワルシャワで実施された。海外で同世代の若者たちと柔道や集団生活を通した友好親善を図ることなどを目的に、1980年から2年に1度のペースで実施されている。
2021年度の研修は新型コロナの影響で中止となったため4年ぶりの実施となった今回は、スポーツプロモーションセンター（SPC）の山口輝義次長が団長、付属相模高校の水落健太教諭が研修団の監督、付属札幌高校の佐藤優作教諭がコーチを担当。付属浦安高校、相模高、札幌高、付属福岡高校、付属大阪仰星高校、付属甲府高校、山形高校から、大会成績などを基準に選考された10選手が参加した。
研修団は9月27日に日本を出発。ドイツ経由でポーランド入りすると、グダニスク体育大学とMatsubara Judo Jukuが主催し、井上康生教授（SPC）が理事長を務めるJUDOsが後援する国際柔道キャンプ「Campbosei―Camp for the Future―」に参加し、欧米諸国の選手らと稽古に励み、親善試合にも臨んだ。
また、会場では哲学・宗教学の世界的な研究者で、オックスフォード大学教授のピーター・ペトコフ博士の講演も実施。ペトコフ博士は、ニコライ・グルントヴィに関する論文から松前重義博士を知り、創立者に関する研究に取り組んでいる。今回キャンプの名称に「BOSEI（望星）」がつけられていることに強い関心を持ち、同大学柔道部のメンバーと共に参加した＝詳報次号。
ワルシャワ旧市街も訪問
研修団は、バルト海に面した同国最大の港湾都市で、第二次世界大戦勃発やその後の東西冷戦終結の発端となった歴史を持つグダニスク市内各地を見学。10月2日にワルシャワに移動すると、在ポーランド日本大使館を表敬訪問して宮島昭夫特命全権大使と面談したほか、ワルシャワ蜂起博物館や世界遺産に登録されている旧市街なども巡り知見を深めた。
山口次長は、「参加した選手たちは皆、初めての海外でしたが、プログラム全てをフレッシュな感性で吸収してくれました。柔道をはじめ、その土地の歴史、文化に触れ世界の広がりを感じてくれたのではないでしょうか」と話す。
選手団のキャプテンを務めた相模高の本吉嵩琉選手（3年）は、「ワルシャワ蜂起博物館で見た戦争で街が破壊される再現映像は、現在のきれいな街並みからは想像できないほど悲惨でした。ポーランドでは、隣国のウクライナから柔道選手などの難民を受け入れていて、柔道が国際交流の架け橋になっていることも学べました」と話している。
2023/11/01
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