教育
2025/03/01
2月16日に千葉県立美術館で、資格教育センター主催のシンポジウム「彫刻をさわる時間―触覚にとって美とは何か―」が開催された。同美術館で3月2日まで開かれている展覧会「彫刻に触れるとき 『さわる』と『みる』がであう彫刻展2025」の関連イベントとして、彫刻芸術における触覚性や「触れる鑑賞」の可能性を考えることなどを目的に企画。オンラインと合わせて約90人が参加した。
第1部は展覧会の会場で、筑波大学准教授の宮坂慎司氏が進行し、全盲の広瀬浩二郎氏(国立民族学博物館教授)、半田こづえ氏(明治学院大学非常勤講師)が触覚で感じた素材感や触れる鑑賞のポイントを解説した。第2部は、視覚に障害のある夫妻が創設したイタリア・オメロ触覚美術館を舞台にしたドキュメンタリー映画『手でふれてみる世界』を上映。岡野晃子監督が作品に込めた思いなどを語った。第3部は「触れてみる美」をテーマに公開討論。司会を務めた同センターの篠原聰准教授は、「目で見るのとは全く違う、作品の奥にある作り手の思いや温かみ、触れて見る世界の豊かさをあらためて認識しました。今後も触れる鑑賞の可能性を考えていきたい」とまとめた。
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