share

学生

2025/12/01

理工系分野の研究発表で輝かしい功績

エンさん

小規模掘削工事の安全と効率 土の“粘着力”に着目し検証

大学院工学研究科2年のエン・ハクウさんが、7月22日から25日まで山口県下関市で開催された「第60回地盤工学研究発表会」で「砂の粘着力に着目した小規模掘削工事に関する検討」をテーマに発表。優秀論⽂発表賞を受賞した。

 

小規模掘削工事では、土砂の崩落を止めるために通常は軽量鋼矢板を用いた仮設土留めが行われる。その際の簡易的な設計計算では土の粘着力を無視して計算されるところ、エンさんは壁高が小さいために粘着力の土圧に対する影響が相対的に大きくなることに着目。豊浦砂とアクリル板を使った実験の結果と再現数値を解析し、土の粘着力が大きくなるにつれて切梁の軸力と軽量鋼矢板の曲げモーメントが減少することが分かった。さらに乾燥砂を対象とした模型実験と数値解析の結果を比較して解析ツールの再現精度も確認した。

 

中国新疆ウイグル自治区出身のエンさんは、工学部土木工学科を卒業後、大学院では藤原覚太講師の下で研究に取り組んできた。「東海大学で6年間学んだ成果を生かし、安全を確保し安価な工事に貢献できる技術者になりたい」と話している。

 

宮城島さん

スポーツ観戦時の脳波を計測 観客の一体感を定量化

大学院体育学研究科博士課程後期の宮城島晃大さん(指導教員=体育学部・押見大地准教授)が、9月17日から19日まで開かれた「第27回日本感性工学会大会」で優秀発表賞を受賞した。押見准教授の研究室では、スポーツ医科学研究所をはじめ早稲田大学、株式会社電通・株式会社電通サイエンスジャムと共同で、スポーツ観戦の体験価値を可視化する研究に取り組んでいる。宮城島さんは、その成果を「スポーツ観戦における脳波測定―感情の同期性と観戦満足度に着目して―」と題して発表した。

 

研究では、スポーツ観戦時に生じる“一体感”や“共鳴”を定量的に調べるため、観戦者の脳波を計測。今年3月のサッカー日本代表戦で14人の大学生を“友人同士”“初対面”の2グループに分けてデータを収集した。宮城島さんは、「友人同士のグループでは興奮や集中が高まる場面があり、初対面のグループにおける感情の動きとも強い相関が見られました。グループ単位ではなく、会場全体で感情が一体化する傾向があったと考えています。日本代表戦はより一体感が高まりやすいと思うので、Jリーグの試合やテレビ観戦時の脳波も調査したい」と話した。

 

茨木さん

乳がん治療時の課題解決へ 温熱治療時の温度可視化

大学院工学研究科2年の茨木晴己さんが、9月20、21日に名古屋市立大学で開催された「日本ハイパーサーミア学会大会」で優秀発表賞を受賞した。同学会は、温熱療法(ハイパーサーミア)の研究や臨床応用に関する成果の共有を目的に開かれている。

 

茨木さんは、「水・脂肪混在組織に対する3T―MRIによる温度分布画像化」をテーマに発表。温熱療法は、がん治療における低侵襲な手法として研究が進められる一方、周辺組織をやけどから守るため、MRIを併用した温度計測法が用いられている。しかし、「筋肉などの高含水組織と脂肪組織の温度を同時に測定する技術は確立されていないため、乳がんのように脂肪組織の近くにあるがんには温熱治療が難しいのが現状」と説明する。

 

所属する黒田輝教授(情報理工学部)の研究室では、共鳴周波数の温度依存性を利用した高含水組織の温度計測やレーザー加温実験などでデータを収集。温度分布画像の作成に成功した。茨木さんは、「医学部付属病院で臨床に使われている機器も使用できた成果です。東海大学の研究環境があったからこそ結果を残せました」と振り返った。

 

渡邉さん

水中ロボットに不可欠な 無線電力伝送の効率化を図る

大学院工学研究科1年の渡邉雄太朗さん(指導教員=工学部・稲森真美子准教授)が、10月15日から17日までタイ・モンクット王工科大学北バンコク校で開催された「アジアワイヤレス電力伝送ワークショップ」のヤングエンジニアセッションに参加。最優秀学生賞を受賞した。同ワークショップはワイヤレス電力伝送技術に関する最新の技術や研究開発の情報共有を目的に開かれている。

 

渡邉さんは、「海水中におけるワイヤレス電力伝送システムのアンテナ評価」をテーマに発表した。海底探査や水中施設の保守のために導入されている自律型水中ロボットに不可欠なワイヤレス電力伝送は、ケーブル接続やバッテリー容量などの制限を克服する有力な解決策として注目されている。海水中での伝送効率は空気中に比べて低下し、損失が増加する。渡邉さんはその損失を解析するために、設計されたターン間のピッチ間隔を持つコイル構造を評価。大型水槽を使った実験で検証した。「発表当日は実験では検証し切れていないところを突かれる質問もあり、次の目標ができました。今後は研究をさらに進めたい」と手応えを話している。

 

 

 

 

学生記事一覧

2025/12/01

【吹奏楽研究会】ミスを恐れず“音楽を楽しむ”

2025/12/01

【湘南】「本屋旅帳」で書店巡り

2025/12/01

【ソーラーカーチーム】大使館レセプションに出席

2025/12/01

【静岡】環境省主催シンポに登壇

2025/12/01

【湘南】体操競技を通じて国際交流

2025/11/01

【熊本・臨空】街の魅力を再発見

2025/11/01

【熊本・臨空】“キャンパスを巡る”商品第3弾

2025/11/01

【湘南】国際協力イベントに出展

2025/11/01

【湘南】体育学部生がホームゲームを運営

2025/10/01

【湘南】サインフレンズが手話を指導

2025/10/01

【TUMPA】「最高の仲間」と共に

2025/10/01

【TSRP】ロケット開発の魅力を発信

2025/10/01

【Beijo Me Liga】日本社会に溶け込むきっかけに

2025/10/01

【阿蘇援農コミュニティー】産山村で酪農や花の出荷を支援

2025/10/01

【湘南】鮮やかな花火を表現

2025/10/01

【湘南・品川】国際会議連携のイベントで

2025/10/01

【札幌】海中のルアーや重りを回収

2025/09/01

【熊本・臨空】学生の視点で駅や周辺に「にぎわい」を

2025/09/01

【湘南】子供向け「ロボット教室」

2025/09/01

【総合理工学研究科】宇宙技術と科学の国際シンポ

2025/09/01

【工学研究科】計測方法の発想を転換

2025/09/01

【工学研究科】製造過程の不具合を視覚化

2025/09/01

【湘南】避難民の“生の声”を聞く

2025/09/01

【湘南】チアリーディング部が演技

2025/09/01

【伊勢原】看護の知識を生かし

2025/08/01

【札幌ボランティアプロジェクト】夏のキャンパスを彩る

2025/08/01

【札幌】ヒグマ対策のボランティア

2025/08/01

【湘南】建築学科生らが復興支援

2025/08/01

【品川】近隣に宣伝しデリバリーにも挑戦!

2025/07/01

【ソーラーカーチーム】11年大会以来の世界一奪還へ

2025/07/01

【人力飛行機チーム】6年ぶりの鳥人間コンテストへ

2025/07/01

【札幌】北からおこした東海魂

2025/07/01

【熊本】「農福連携」で被災地支援

2025/07/01

【湘南】子どもたちに理科の楽しさ伝える

2025/06/01

【札幌】海中から回収したルアーを再活用

2025/06/01

【静岡】清水の海を水槽に表現

2025/06/01

【熊本】市街の「シャワー通り」で学ぶ

2025/06/01

【臨空】夏を前に衣替え

2025/06/01

【TKP】「高輪のれんノ市」に協力 

2025/06/01

【6/21、22】 札幌でひと足お先に建学祭

2025/05/01

【湘南】全日本アンサンブルコンテストで金賞

2025/05/01

【湘南】「闇バイト」テーマにCM制作

2025/05/01

【湘南】6号館ロビーの家具をお披露目

2025/05/01

【湘南】学食利用をサポート

2025/05/01

【湘南】光学素子の試作に取り組み

2025/05/01

【湘南】アメリカ留学プログラムで

2025/05/01

【静岡】「夢の実現に大きな一歩」

2025/04/01

【第54回海外研修航海】成長遂げた研修団が清水港に帰港

2025/04/01

【臨空・熊本】商品開発サークルが協力

2025/04/01

【湘南】日本機械学会で入賞