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学園

2019/01/01

熊本でアジア農業シンポジウム

災害が農業に及ぼす影響をテーマに

熊本校舎で昨年12月8日、第18回アジア農業シンポジウムが開催された。アジア諸国における食料・農業問題をアジア全体で考え、農業分野の研究活動の成果を共有し、研究者間の交流を深めることを目的に1982年から学校法人東海大学が開いている国際会議。今回は2016年に発生した熊本地震を受け、農学部再建に向けた取り組みの一環として「災害が農業に及ぼす影響―事例研究と展望―」がテーマに設定された。

当日は、農学部の教員をはじめ、タイやインドネシアの大学から参加した研究者らによる口頭発表のほか、学生や熊本県内の高校生も参加してのポスター発表、パネルディスカッションなどを実施。冒頭に行われた基調講演では、熊本県の蒲島郁夫知事が登壇し、「熊本地震からの創造的復興」について、「『不可能を可能にする』がキーワード。さまざまな施策を通じて今後もよりよい熊本を目指し、復興に取り組んでいく」と熱弁を振るった。
 
「災害が地域社会に及ぼす影響」と「災害が農牧業に及ぼす影響」の2つのセッションで行われた口頭発表には8人の研究者が登壇。熱心な質疑応答も繰り広げられた。
 

最後にはパネルディスカッションも実施され、シンポジウムの事務局長を務めた農学部の村田浩平教授が進行。タイのモンクット王ラカバン工科大学とコンケン大学、インドネシアのボゴール農科大学とパジャジャラン大学、農学部の研究者らが災害への備えや被災時の対応、農業における後継者不足の問題などに関する研究成果と課題解決案について意見交換し、最後に村田教授が「全世界の人のために新しい手法で災害のリスク削減に取り組んでいかなくてはならず、“不可能を可能にする”ことが必要。今後も将来に向けて、我々が何をすべきかしっかり考えていきたい」と総括した。 

また、閉会にあたって荒木朋洋九州キャンパス長(農学部教授)があいさつし、「熊本地震では我々農学部も大きな被害を受けた。自然災害は世界中で起きているが、この経験が社会に役に立つよう活動していきたい」と語った。

イチゴ生産などで研究交流を促進 インドネシアの2大学と協定

東海大学九州キャンパスが、インドネシアのパジャジャラン大学とボゴール農科大学と包括協定を締結。アジア農業シンポジウムが開催された昨年12月8日に、熊本校舎で協定書調印式が執り行われた。

経営学部の木之内均学部長が役員を務める農業法人木ノ内農園が、国際協力機構(JICA)の「中小企業海外展開支援事業」の採択を受け、同国西ジャワ州のイチゴ生産者らに生産や加工などを指導していることから、同事業に協力する農学部と基盤工学部の教員がパジャジャラン大農学部、ボゴール農科大農学部の教員との連携を進めてきた。
 
協定は、この取り組みを受け、両大学と九州キャンパス間で教育・研究活動全般における交流および連携を推進し、相互の教育・研究活動の進展に資することを目的としている。

パジャジャラン大は、州内最大規模の17学部、大学院課程を擁する総合大学。ボゴール農科大は、同国最古の国立大学の一つで、東南アジア地域屈指の農業大学として評価されている。
 
調印式にはパジャジャラン大からトゥリ・ハンゴノ・アハマド学長、ボゴール農科大から、ドディク・リドー・ノーラマフト連携担当副学長、東海大から山田清志学長、荒木朋洋九州キャンパス長、小野政輝大学院農学研究科長ら3大学の関係者が出席。はじめに山田学長があいさつし、「経済発展を続けるインドネシアはわが国にとって重要な国の一つであり、政府や熊本県も大きな注目を寄せています。今回の協定が両国の協力関係に資するものになるよう期待しています」と述べた。続いて荒木九州キャンパス長とアハマド学長、ノーラマフト副学長が協定書にサイン。それぞれに協定を通じた連携への期待を語った。

 
(写真上)パネルディスカッションでは農学部の岡本智伸学部長やタイ、インドネシアの研究者が活発な議論を交わした
(写真中)地域の高校生も多数参加したポスター発表
(写真下)締結式に臨んだ3大学の関係者ら

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