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2020年12月1日号
津軽鉄道の取り組みを調査


距離をこえた企業支援
森田浩一さん(観光学部4年)


関東の鉄道会社に勤め、現在は社会人学生として観光学部で学ぶ森田浩一さん(4年)。「コロナ禍で観光・鉄道業界が影響を受けている中、関連したテーマで卒業論文を作成したい」と考えていた今夏、青森県・津軽鉄道による「仮想乗車」の取り組みを知った。

新型コロナウイルス感染症の拡大により乗客数が減少したことを受け、津軽鉄道では4月28日から、乗車した気分が味わえる動画をYouTubeにアップ。閲覧者に運賃分の寄付を募り、約4カ月で約250万円の寄付金が集まった。
 
大学入学前は新潟県の観光列車で車掌を務めていたことから興味を持ち、企業担当者に連絡をとり寄付者を対象としたアンケートを実施した。21件の有効回答があり、住んでいる地域や寄付金額、寄付の理由や仮想乗車の企画に対する反応などを考察。その成果をまとめ、
10月23日に同社の澤田長二郎社長に報告した。

今回の回答者は7割が地元住民ではなく首都圏在住で、実際に乗車するのは帰省や旅行で年1、2回程度という意見が多かった。“少しでも役に立ちたかった”“地元の利用者のために協力したい”といった声が聞かれたことで、「仮想乗車は鉄道会社が利益を生み出す一つの新しい手法であり、地域と地域外の関係性を維持する可能性の一つになり得ると感じた」と話す。

卒業後は元の職場に戻る森田さん。「今まで鉄道一本だったけれど、大学では観光学や経済学、心理学など多様な視点を持つ大切さを学びました。観光列車の車掌としてはもちろん、若手社員を育成する立場としても、大学での経験を生かしていきたい」と意気込んでいる。

 
(写真下)「寄付は人間同士のかかわりが深いほど多くなるというデータがある。卒業後はファンを増やす新たな企画も考えていきたい」と意欲を見せる