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2022年1月1日号
伊勢原団地の改修工事現場を見学
【工学部建築学科・大学院工学研究科】
学生の案で“地域に生きる”建築に

神奈川県住宅供給公社と東海大学が、学生が入居できる建物としてリノベーションを進めている伊勢原団地12号棟の見学会が、昨年11月27日に開かれた。同公社と東海大の協定に基づき、2020年秋に工学部建築学科と大学院工学研究科の学生によるデザインコンペを実施。それをもとに設計・施工が進められている現場を、14人の学生が見学した。

伊勢原団地12号棟は地上4階建で、学生用に工事が進められているのは2人1部屋の29戸。周辺地域を含めた課題の解決にもつなげようとコミュニティスペースの充実も図られており、1階は共用のラウンジやキッチンとして改修されている。

見学会当日は、プロジェクトを担当する同公社賃貸事業部設計監理課の佐々木匠氏(工学部2012年度卒)らの案内で各部屋を順番に巡った。共用部では設計を担当した建築学科の納谷新非常勤講師が、「床をはがして現れた段差はそのままベンチにするなど、新築ではなくリノベーションだからこその挑戦的な空間がいいのではないかと考えました。玄関から土足で入れる土間のようなつくりで、建物の中に道が通ったイメージ」と説明した。

居室内のラウンジ部分では、壁の角を丸くするなど圧迫感が出ないように工夫が凝らされ、シャワールームや洗濯機置き場を1カ所にまとめることで動線が確保されている。学生たちは、壁をはがした状態の部屋や、断熱材を入れている様子なども段階的に見ながら、床や壁の素材といった細かな部分まで説明を受けた。「図面や模型で見るのとは違い、リアリティーを持つことができた」と充実の表情を見せていた。

引率した山俊裕教授は、「学生のデザイン案は、予算の関係もあって採用されなかった部分もありますが、それも含めて勉強です。地域に根差した事業、地域に生きる建築として今後の連携を考えていきたい」と展望を語る。

コンペで最優秀賞を受賞したグループの茂木涼介さん(大学院工学研究科2年)は、「設計が進むにつれ、団地ならではの厳しい条件があることを知り、授業だけではわからなかったことも学べました。全国的に団地の老朽化が進んでいると聞いているので、この取り組みが一つのモデルになればうれしい」と期待を寄せた。

 
(写真上)納谷非常勤講師がこだわりや工夫の一つひとつを解説
(写真下)図面を片手に学生たちは熱心に質問していた