特集:教育の現場から
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2020年12月1日号
学生に満足感のある授業を展開
対面とオンラインの併用で

新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、春学期の授業はすべてオンラインで行われていたが、秋学期からは一部で対面の授業が再開。オンラインとの併用で工夫を凝らした授業が行われている。新しい授業の配信環境を整備した工学部電気電子工学科と、対面で実験や実習の授業を展開している健康学部健康マネジメント学科を紹介する。

【工学部電気電子工学科】放送技術で授業を改善

工学部電気電子工学科では、秋学期の授業開講にあたってオンライン授業用に2つのスタジオを整備し、10月から運用を開始している。

その1つが、19号館9階に設置した3面のホワイトボードと同数のカメラを組み合わせ、手元のスイッチで画面を切り替えながら授業を行えるシステムだ。ホワイトボードは、従来の授業で使ってきた黒板とほぼ同じサイズで、教員は板書をしながら授業を進められる。また、大型のモニターに資料を投影し、その前で教員が話す様子を配信できる「テレビ番組の天気予報」のようなシステムも取り入れた。
 
環境整備の背景には、同学科が行った春学期の授業の検証結果がある。中心となって改善策を検討した村野公俊教授は、「パソコンの画面で資料を見せ、口頭で解説していく形式では、授業中の重要な点を強調しにくく、学生の理解度にも不安があることが判明した」と話す。

そこで、短時間で説得力のある情報発信をより効果的に行えるテレビ番組の方式を応用。村野教授は、「この方法であれば、教員はこれまで培ってきた対面授業のノウハウを生かすことができ、学生も従来のスタイルで授業が受けられるので理解度が高まると期待できる」と話す。

同学科では、講義のほか、就職セミナーなどでもこのシステムを活用。授業は録画して学生に公開されており、復習にも使える。学生からは、「リアルタイムで講義を受けている雰囲気を味わえるのはもちろん、先生が身ぶりや手ぶりを交えて解説してくれるので授業内容が記憶に残りやすくなった。授業中に聞き取れなかった部分を聞き直すことができるのもメリット」といった感想が聞かれている。

村野教授は、「授業の方法はまだ改善点もあると思う。これからも学生の要望を聞きな
がら、よりよい授業環境を模索していきたい」と話している。

【健康学部健康マネジメント学科】科学的な視点を養う

“健康”を科学的な視点で学ぶ―健康学部健康マネジメント学科で、今学期から実験の授業「健康科学実習」が開講されている。3年生となった1期生を対象に、毎週金曜日に5号館1階の実習室で2コマ続けて開講。学生たちは教室の前と後ろの2グループに分かれて1教員につき2〜3週を1クールとして課題に取り組んでいる。
 
11月13日の授業は、池内眞弓准教授と安田佳代講師が担当した。池内准教授は「環境中の二酸化窒素の測定」をテーマに、学生が24時間持ち歩いたフィルターを試薬につけ、色の違いによって二酸化窒素の量を測定する実験などを指導。安田講師は口腔内の粘膜からDNAを抽出し、アルコール代謝関連遺伝子の多型を調べる実験を行った。

渡辺菜那子さんは、「座学で学んできた実験を自分でもやってみたいと履修しました。同級生と一緒に対面で実験できるのは楽しい。1期生なので、まだ新しい器具を使えるのもうれしいです」と話し、綿野義人さんは、「きちんと手が洗えているかブラックライトを使った実験が印象的でした。宮沢正樹講師が担当した脂肪細胞を染色失敗してしまいましたが、成功した場合との違いが目に見えてわかり、いい経験になりました」と充実の表情だった。
 
安田講師は、「卒業研究などにつながる実験の技術を学ぶことはもちろん、データを取得し考察する難しさを感じ、失敗も経験しながら自ら考える力を養ってほしいと考えています。健康科学を理解するうえで、結果の一つひとつがどのように導き出されているかを理解し、自分で経験することで違った視点も見えてくれば」と期待を込めた。

 
(写真上から)
▼ホワイトボードで板書しながら進められている村野教授の授業
▼授業の様子はリアルタイムで配信されている
▼大型モニターに資料を投影するシステムを使って就職セミナーも
▼瀧澤彩香さん(右)は、「小学生のころから理科の実験が好きで、この授業を楽しみにしていました」と真剣な表情