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スポーツ

2014/06/01

全日本柔道選手権で初優勝

こだわりの“大外刈り”で日本一
【Interview】王子谷剛志選手(体育学部4年)

東海柔道のエース、日本の頂へ――。4月29日に日本武道館で開催された体重無差別で男子柔道の日本一を競う平成26年度全日本柔道選手権大会に、東海大学から卒業生も含めて10選手が出場。柔道部主将の王子谷剛志選手(体育学部4年)が、決勝でロンドン五輪代表の上川大樹選手(京葉ガス)を破り、初優勝を遂げた。東海大学勢としては、2003年の井上康生選手(現・同部副監督、体育学部講師)以来11年ぶりの快挙。日本一へ上り詰めた自身の戦いを振り返るとともに、6月28、29日に日本武道館で開催される全日本学生優勝大会(無差別団体)への抱負を聞いた。

大学1年生で初出場したときは、「それまでやってきたことがまったくわからなくなるぐらい緊張した」という。しかし、3年ぶりに臨んだ今大会は、当日の朝を迎えても不思議なほどリラックスしていた。「対策や研究が十分にできていて、手応えがありました。気持ちに余裕があったのだと思います」。専門誌や新聞、大会パンフレットに自分に期待する記事が見当たらなかった悔しさは、「見返してやろう」と発奮材料に変えた。

3回戦まで順当に切り抜け、準々決勝の相手は昨年準優勝の原沢久喜選手(日本大学4年)。「前に出て、できるだけ指導をとられないことと、不用意に仕かけてくるところをきちんと対応しようと心がけた」。高校時代から何度も対戦しているライバルを得意の大外刈りで一蹴した。

五輪代表に一本勝ち
準決勝も鮮やかな連続技で快勝すると、決勝では2年前のロンドン五輪代表でもある上川大樹選手(京葉ガス)と対戦。体重が137㌔の王子谷選手より約20㌔も重く、3月の東京都予選では開始早々に一本負けを喫した強敵だ。

男子柔道部の上水研一朗監督(体育学部准教授)から、「チャンスはそう多くない。勝ちに徹し、チャンスをしっかりものにしなさい」と送り出された王子谷選手は冷静だった。「相手は体の力が強いので、前半から勝負しても厳しい。我慢して、疲れさせてから一気に行こう」。3月の敗戦の経験を生かし、消耗戦に持ち込むという作戦は見事に的中する。開始4分18秒、またも大外刈りで、息の上がっていた相手の巨体をきれいになぎ倒した。上川選手は大外刈りの返しが巧み。実は試合前、上水監督からは大外刈りは使わないように言われていたという。それでも「最後はこれで決めるんだ」と、最も自信のある技にこだわった。

前人未到の7連覇へ

付属相模高校中等部時代から大外刈りに磨きをかけ、相模高では数々の大会で優勝。世界ジュニア選手権では史上初の2連覇も成し遂げた。ただ、この全日本選手権の優勝は、「今まででいちばん気持ちよかった」と王子谷選手は振り返る。柔道部の仲間たちに胴上げされ、みんなで校歌を歌ったときの喜びは今後も忘れることはないだろう。

そして次なる戦いは、今月の優勝大会。100人以上の部員を率いる男子柔道部主将として、すでに気持ちは切り替わっている。以前はやや遠慮しがちだった性格の王子谷選手を主将に指名したのは、上水監督の「連覇のプレッシャーをはねのけ、率先して努力できるのは彼しかいない」との判断から。「中心選手としてポイントを挙げるのはもちろん、試合前の準備や勝負に対する姿勢など、他のメンバーの模範になってほしい」と全幅の信頼を寄せている。

「たくさんの先輩たちが受け継いできた前回までの6連覇。今度は自分たちの力で7連覇を達成したい」と王子谷選手。全日本王者が牽引する柔道部が、前人未到の偉業に挑む。(構成・小野哲史)

王子谷選手が松前総長らに優勝報告
4選手が世界王座に挑む

男子柔道部の選手と卒業生5人が5月20日、同部の上水監督、井上康生全日本男子監督(体育学部講師)とともに代々木校舎を訪問。王子谷選手が全日本選手権での優勝を松前達郎総長ら教職員に報告した。

また、8月25日から31日までロシア・チェリャビンスクで行われる世界選手権大会の代表に選出された、60㌔級の髙藤直寿選手(体育学部3年)と66㌔級の髙市賢悟選手(同)、73㌔級の中矢力選手(体育学部2011年度卒・ALSOK)、90㌔級のベイカー茉秋選手(体育学部2年)が、大会への意気込みを語った。髙市選手とベイカー選手は初の世界選手権。昨年優勝の髙藤直寿選手は2 回目、中矢選手は3回目の出場で世界王座に挑む。

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