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スポーツ

2011/07/01

第93回全国高校野球選手権大会予選特集

目指せ甲子園!
夏の甲子園予選が各地で開幕。春季関東大会8強の甲府高校など、注目校を紹介する。

【甲府高】主砲・高橋選手を擁し 春季山梨県大会V

金属バットの音が響くグラウンドに、乾いた木製バットの音が鳴る。高校生の中にプロが混ざったかのように、高橋周平主将(3年=右写真)は1人だけ質の違う打球を飛ばしていた。

「やばい!」。そう口にした高橋主将の視線は、105メートル先にある高さ30メートルの中堅ネットの上へ。軽々越えていく打球を見ながら、「この間なんてネットの向こうにある民家の壁に当ててしまって、謝りに行ったんですよ」と村中秀人監督(甲府高教諭)は苦笑する。

1年時から4番に座り、通算本塁打はあの清原和博氏の高校時代を上回る68本(6月27日現在)。村中監督は「23年間監督をしていますが、周平は3本の指に入る選手。中学時代から打球の速さは飛び抜けていたけれど、あの本塁打数は走り込みの成果ですね」。この冬、チームは甲府高から約16キロ先にある昇仙峡までの山道を、多い日には1日3本も走り込んだという。高橋主将は「肉体的にはもちろん、精神的にも鍛えられた。これだけやったんだという自信は夏への大きな力になる」と語った。

4番に座る大物新人

高橋主将を4番から3番に変えた今春、強豪校を次々倒して山梨県大会を制したが、絶対的な4番は不在。そして迎えた関東大会初戦、村中監督は5回2死二、三塁の好機で4番の代打に渡邉諒選手(1年)を送る奇襲に出た。180センチを超える大型ルーキーは、1打席目こそ中飛に終わったが、その後は本塁打を放つなど正4番候補として名乗りを上げた。

寮で同部屋の高橋主将は「物怖じしないし、1年生と思えない」と話す。渡邉選手本人は「高校生の球は球速やキレが中学生より格段に上。まだまだです」と言うものの、「外の変化球に対応できれば鬼に金棒」と村中監督も期待を寄せる。打力が目を引く一方で、2年生エース本多将吾選手を中心に守りも堅い。7年ぶりの甲子園は、手の届くところに見えている。

[写真]左から渡邉選手、高橋主将、入倉智喜選手(3年)のクリーンアップトリオに注目だ


【第四高】18年ぶりの夏切符狙う “打ち勝つ野球”鍵は捕手
打って打って打ち倒すー。今春、3年ぶりに札幌支部大会を突破し、北海道大会で8強入りした付属第四高校。3番森本祐太選手(3年)を軸に、春の公式戦6試合で49得点をたたき出すなど、“打ち勝つ野球”が身上だ。「冬の間、バットを振り込んだ成果が出てきた」と大脇英徳監督(第四高教諭)も手ごたえを口にする。だが一方で、「失策が多いのが課題。まず守ってリズムを作り、打力を発揮できる展開に持ち込まなくては」と語る。“夏へのキーマン”に、打者ではなく捕手・藤田翔選手(3年)の名を挙げた。

あこがれの先輩超え
3年前の夏。第四高は捕手で4番の伏見寅威主将(現・体育学部3年)を中心に、南北海道大会準決勝まで勝ち進んだ。その試合をスタンドで見ていたという藤田選手は、「打って守って投手陣を盛り立てる。自分も寅威さんみたいになりたいと思って第四高進学を決めた」と言う。

伏見選手と入れ違いで入学した藤田選手は、1年夏から背番号2を受け継いだ。191センチのエース本木敬基選手(3年)と、左腕・中谷直貴選手(同)らを巧みにリードする姿に、大脇監督は「頑固な面もありつつ、それぞれの性格を考慮して投手が投げやすい環境を作る。体は小さいが、捕手としての資質は伏見より上かもしれない」と語る。

第四高が夏の甲子園に出場したのは大脇監督が主将を務めた1993年が最後。その年に生まれた選手たちが今、最上級生としてチームを率いている。「札幌支部の学校は犠打で送って1点を取りにいく手堅い野球が多いけれど、他支部では強攻策をとるところも多い。今春、初めて北海道大会まで駒を進めて、違う野球を見られたことは夏に向けて大きな収穫」と藤田選手は言う。「泥臭く、どんな形でもいいから一つずつ勝っていきたい」。先輩を超え、18年ぶりの“夏切符”を狙う。

[写真]夏を前に課題の守備力強化を図る


【相模高】春夏連覇へ新戦力
長谷川将也コーチ(相模高教諭)

選抜甲子園を制した相模高に、新たな戦力が加わった。昨秋まで東海大学硬式野球部で選手としてプレーしてきた長谷川将也コーチが着任。選手とともに寮生活を送りながら、門馬敬治監督(相模高教諭)の下で指導に当たっている。父も弟も相模高、東海大の野球部でプレーする野球一家で育ち、自身も2006年の選抜甲子園に出場した経歴を持つ。

「僕自身、選抜が終わった後は、“甲子園で投げたんだから抑えて当たり前”という周りの目が気になって仕方なかった。今思えばそんなこと気にしなくていいと思えるけれど、選手からすればそうはいかない。対戦相手も今まで以上に打ってやろうとかかってくるし、投手陣は今が正念場。少しでも力になってやれればと思う」

春は神奈川県大会4回戦で敗退。推薦枠で出場した関東大会も初戦で敗れた。「浮かれた雰囲気はないし、負けたことで逆に引き締まったと思う。指導者としてはまだ未熟だけれど、選手と一緒に戦っていきたい」



各地で熱戦展開中! 付属高野球部を応援しよう

第四高の属する南北海道札幌支部予選を皮切りに、各地で付属高野球部が熱戦を展開中─。

甲子園春夏連覇を狙う相模高は、春季大会こそ思った成績を残せなかったが、エース近藤正崇選手(3年)ら選抜甲子園優勝メンバーが夏に向け着々と調子を上げている。

春季千葉県大会で4強入りし、5年ぶり5度目の関東大会に出場した浦安高は、183センチの溝口巧選手(同)ら投手陣が充実。関東大会では初戦で敗れたものの、“戦国千葉”で2季連続4強入りした実力を発揮し、台風の目となれるか。

1983年以来となる甲子園切符を狙う第二高は、昨夏、今春ともに熊本県大会4強入りするなど、準備は万端。春季長野県大会8強の第三高は、高校通算35本塁打を超える高田脩平選手(同)が4番に座る。春夏通じて初の甲子園切符を狙う高輪台高は、昨秋の東京都大会で8強入りするなど虎視眈々と勝機をうかがっている。

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