News:教育
2020年12月1日号
湘南2号館大ホールの換気を解析
ソーラーカー開発の知見生かし

工学部航空宇宙学科航空宇宙学専攻の福田紘大准教授と福田研究室に所属する武藤創さん(大学院工学研究科1年)がこのほど、湘南校舎2号館大ホールの換気状況を解析した。

東海大学では新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて春学期の授業を遠隔としていたが、秋学期から対面での授業も再開していることから、安心・安全に受講できる環境づくりにつなげようと計画された。チャレンジセンター「ライトパワープロジェクト」ソーラーカーチーム監督を務め、マシンの空力開発などを担当してきた福田准教授と、昨年度まで同チームの学生リーダーを務めた武藤さんが担当した。

2人はまず、大ホールの換気能力を確認し、空調設備の吸込と吸出性能のデータを取得するとともに、ホールをCADモデルで再現。解析作業では、ソーラーカーチームにおける空力解析でもサポートを受ける螢愁侫肇ΕД▲レイドルの流体解析ソフトウェアを活用し、福田研究室の高速演算サーバーで解析を進めていった。

「時間変化は再現しない“定常”での解析としましたが、大まかな空気の流れは十分に把握できた。室内に空気を送り込むファンと流出させるファンの配置や台数を検討し、さらに家庭用扇風機を配置した場合など複数パターンでの解析を進めました」と福田准教授。武藤さんは、計算結果をもとに空気の流れをアニメーション化するとともに流速などの分析も繰り返し、さまざまなシチュエーションを再現。室内の断面ごとの流速分布も可視化してホール内の空気の動きを解明した。

その結果、ビッグファンと扇風機を設置した一定の条件を満たすことでホール内1、2階の中央部に風を流動させることができ、間隔を空けて着席すれば感染のリスクを抑えられるとともに、風速の低い1、2階の左右側面付近と3階の使用は避けることが望ましいと提言した。

武藤さんは、「作業はこれまでのソーラーカー開発や学部、大学院での学びの経験を生かし、その土台がある状態で仮説を立てながら進めたことで、効率よくできた。若手技術者の一人としてその役に立ててうれしい」と話している。

 
(写真上)計算の結果をもとに室内の空気の流れをアニメーションにし、流速などの分析を繰り返すことでさまざまなシチュエーションを再現。室内の断面ごとの流速分布も可視化してホール内の空気の動きを解明した
(写真下)解析を担当した福田准教授(左)と武藤さん