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特集

2018/02/01
教育の現場から
話題の授業や地域・企業と連携した課外活動など、東海大学の特色ある教育現場に迫ります。

企業と連携しPR動画を制作

【文学部広報メディア学科】
学内外で社会的実践力を養う

文学部広報メディア学科のメディアプロジェクト「広報班 Spinach!(スピナッチ)」が京浜急行バス㈱から依頼を受け、同社のドライバー募集などに使用するPR動画を制作している。企業とコラボレーションしながら、学内外実践的な力を育む学生たちの学びの様子を追った。

広報班 Spinach!には、将来、企業の広報やメディアへの就職を目指す学生が多く在籍する。同学科の小泉眞人教授の指導のもと、学内外で学科を広報する活動を通じて、さまざまな団体とのつながりを構築し、社会的な実践力を身につけることを目指している。

特設サイトで授業やイベントの様子を紹介したり、学内向けに学科のニュースリリースを作成したりとその活動は多岐にわたる。一昨年度には神奈川県松田町から依頼を受け、町のPR動画も作成するなど実践的な学びを深めている。

試行錯誤を繰り返し 学生らしく明るい動画を
京急バスから依頼を受けたのは昨年の6月。2016年12月に行われた「神奈川産学チャレンジプログラム」の授賞式で、小泉教授のゼミナールの学生チームが「『京浜急行バス』ブランド化戦略」を発表し、最優秀賞と優秀賞を受賞。同社から「小泉先生のもとで学ぶ学生たちに、ぜひPR動画も作成してほしい」と提案があり、小泉教授のゼミ生も多数所属する広報班Spinach!が取り組むこととなった。  

PR動画の制作に取り組んでいるのは7人の学生たち。7月には京急バスの担当者が湘南校舎を訪れ、同社の会社説明とともに、「若い世代のドライバーが少なくなっています。皆さんの力を借りて人材採用につなげたい。学生らしく明るい動画を制作してください」とメッセージを送った。

3チームに分かれた学生たちは、それぞれの案を検討。メンバーの西村迅さん(2年)は、「短い時間の中でよりわかりやすくなるよう、“このシーンは必要?”“ここはセリフで説明しないとわかりにくい”と試行錯誤しながら、絵コンテを作成しました」と振り返る。

9月に入り、京急バスの本社を訪れた学生たちは3つの案を説明した。ドライバーの笑顔で乗客が元気づけられる案と、「バスのない世界の不自由さ」を描いた2作品が採用された。
 
10月下旬に、横須賀市の湘南国際村で行った実際のバス車両を使用した撮影は、台風の接近により暴風雨に。バスを借りられる日はこの1日しかないため、髙橋理歩さん(同)が、「社会に出てからも、『この日に終わらせないといけない』という場面には何度も出合うはず。限られた条件で撮影した経験は今後にも生かせる」と話すように、学生たちは前を向き、安全面に配慮しながら撮影に臨んだ。

その後、秋学期を通して編集した動画は、京急バスの担当者による最終チェックを受けて、2月中に納品となる。作品はインターネット上で公開されるほか、就職活動中の学生らに向けた同社の説明会などで使われる予定だ。

松田緋佳留さん(同)は、「ものづくりの楽しさや社会人としてのマナーも身についたと感じています。このような機会があればまた参加したい」と振り返った。

担当教員に聞く
財産を後世に
文学部広報メディア学科 小泉眞人 教授

社会に出てから必要なコミュニケーション能力や判断力は座学だけでは身につきにくく、実践的な教育の場が欠かせません。

広報メディア学科ではこれまで、ゼミナールやメディアプロジェクトによる活動を通じて、数多くの行政機関や企業と関係を構築してきました。このつながりは教育活動にとって大きな財産であり、その背景にはよりよい成果を出そうと努力した学生たちがいました。

京急バスのPR動画制作もまた、昨年度の産学チャレンジプログラムで、学生たちが優秀な成績を収めたからこそ生まれたものです。

本学科は来年度、新設される文化社会学部の一員となりますが、今後も世代をこえて社会とのつながりを引き継ぎ、充実した教育の場を提供していきます。

(写真上)京急バスの車両を借りて行われた撮影。意見を出し合いながら試行錯誤を繰り返した
(写真中)7月に行われた京急バス担当者との打ち合わせ
(写真下)表彰式には山田清志学長(中央)も出席。学生たちの健闘をたたえた

 

もう一つの話題
2チームが優秀賞を獲得
今年度も産学チャレンジで好成績


昨年12月19日に「神奈川産学チャレンジプログラム」の表彰式がパシフィコ横浜で開催された。今年度は東海大学から19チームがエントリーし、小泉ゼミナールの2チームが優秀賞を獲得した。

同プログラムは、主催する神奈川経済同友会の会員が所属する企業と神奈川県内の大学が協同し、産学連携による学生の人材育成を目的とした課題解決型研究コンペ。企業が抱える経営課題に学生チームが実践的で実効性のある解決策を提案する。今回は県内の大学から240チームが参加し、34企業から発表された37テーマのいずれかの課題解決に取り組んだ。
 
小泉ゼミナールの学生チームは、一幸電子(株)の「一幸電子工業株式会社の効果的なPR方法」と山陽印刷(株)の「NET動画配信番組の番組企画」で優秀賞を受賞した。山陽印刷の課題に取り組んだ武田奈々さん(4年)は、「テーマとなる企業だけでなく、世の中の流行やニーズも調査しながら企画を検討してきました。最優秀賞を獲得できなくて悔しいですが、入賞できてよかった」と話した。
 
小泉教授は、「産学チャレンジは他大学の学生と切磋琢磨することができるので、学生個々の可能性を広げられます。ぜひほかのグループの案も参考にしながら今後の糧にしてほしい」と語った。

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