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2017年7月1日号
国際学会で高い評価
漢方学習ソフトウエアを開発
医学生が漢方に興味を持つきっかけを
高野憲征さん(医学部6年)

ドイツ・ベルリンで5月6日に開催された「日本漢方医学国際シンポジウム」に、東海大学の学生として初めて参加した医学部6年の高野憲征さん。「臨床推論に基づいた漢方鑑別処方学習ソフトウエアの開発」と題した発表は、世界各国の医師や研究者らから注目を集めた。「国内外で活躍している研究者らと知り合い、世界が広がった」と振り返る。

高野さんが開発したのは、患者の主訴や随伴症状を入力するだけで、病態改善に適した漢方薬を簡単に絞り込める漢方学習初心者向けのシステム。「漢方は臨床推論を中心とした現代医学とは診断方法が異なり、弟子が師匠の技を見て学ぶ教育方法が主流で、処方に至る過程が複雑で医学生になじみにくい。そこで、臨床推論の方法を用いて漢方の処方を特定できるソフトウエアを開発し、学生が漢方に興味を持つきっかけをつくりたいと考えました」

「小学生のころから漢方薬を服用し、興味を持っていた」という高野さんは、日本大学と同大学院で応用生物学を学び、医学部に編入。2年生から新井信教授の「漢方クリニカルカンファレンス」にも参加してきた。

新井教授が使う「患者さんの諸症状と漢方処方をマッチングさせるための表」を見てソフトウエア化を思いつき、日大時代からの友人でシステムエンジニアの佐伯壽史さんに協力を依頼。勉学で多忙な中、時間を捻出して開発に取り組んだ。

19日には、伊勢原校舎で毎週開かれている「ランチョンセミナー」でも教員や学生らを前に成果を発表。坂部貢医学部長から、「診療支援もできるソフトウエアの開発につなげて」と激励された。

「先生方や佐伯君に感謝しています」と高野さん。「ソフトウエアの有効性を証明して論文にまとめ、2年後の国際シンポで発表したい。専門家も利用できるシステムをつくるのが最終目標です」