News:研究
2017/02/01 エボラウイルスで新発見
2017/01/11 TIARAプログラムなどを紹介
2016/12/01 毎日出版文化賞を受賞
2017年2月1日号
エボラウイルスで新発見
医学部・中川助教
集団発生の要因を解明

医学部医学科基礎医学系の中川草助教(マイクロ・ナノ研究開発センター)の研究グループが、2013年から16年にかけて西アフリカで猛威をふるったエボラ出血熱の原因ウイルス(エボラウイルス)が集団発生した要因の一つを解明。1月13日に学術誌「Genes to Cells」電子版に論文が掲載された。 

この研究は、長崎大学熱帯医学研究所や京都大学ウイルス・再生医科学研究所と共同で行っているもの。エボラウイルスはこれまで5種類が確認されているが、中でも致死率が高いザイール種が今回の集団発生で猛威をふるった。

中川助教らは、このウイルスの表面にあり、人体への侵入に重要な役割を果たす糖タンパク質に着目。約1200本のウイルスのゲノム配列を解析した。

その結果、82番目と544番目で起きた塩基の突然変異がウイルスの生存に優位に働いたことを特定。中でも82番目で変異が起きたウイルスは、変異前に比べて1.8倍の感染力を持つものの、544番目の4.3倍に比べると低かったことが集団発生の一因になったと結論づけた。

中川助教は、「ウイルスは一定期間体内で増えないとほかの人には感染しません。今回は、82番目で変異が起きたウイルスの感染能が患者の体力や生活環境などの因子に適合したことが、集団発生につながったと考えられます。エボラは根本的な治療法がなく、いつまたアウトブレイクが起きるかもわからない。基礎研究を重ね、病原性にかかわる因子を明らかにしたい」と話している。
 
(写真)「感染症にかかわる因子を明らかにしたい」と語る中川助教