Column:Point Of View
2019/10/01 「は? SDGs?」
2019/09/01 ステマもどき
2019/08/01 無償化は、よい政策か?
2019年10月1日号
「は? SDGs?」
現代教養センター 二ノ宮リム さち 准教授

皆さんは、「SDGs(エス・ディ・ジーズ)」をご存じでしょうか。最近、メディアでも街中でもさまざまなところに掲げられている、あのカラフルなロゴには見覚えがあるという方もいるかもしれません。電車内で流れる本学の広告動画で見た人もいるでしょうか。
 
正式にはSustainable Development Goals(持続可能な開発目標)。2015年に国連で採択され、30年までの達成が目指されている世界の目標です。社会、経済、環境のバランスがとれた「持続可能な社会」をつくるための17の目標がセットになっていて、国や自治体だけでなく、さまざまな団体や企業、学校などによる取り組みが進んでいます。私たち一人ひとりにも参画が求められています。
 
……というのが一般的な説明なわけですが、ここまで読んで「は?そんなこと言われても自分には関係ないし」と思った方はいますか?誰かが知らないうちにつくったものを突然示されて「世界の目標ですよ、あなたも頑張って」と言われても……。そう感じるあなた、すてきです!
 
実はSDGsのサブタイトルは「社会を変える」。社会を変えなければ、私たちの世界はもはや持続できないということ。社会を変えていくには、決められたことを疑わずに受け入れるのではなく、自分で感じ考え、それを率直に表す力が役立ちます。つまり、SDGsに「は?」と思う力です。持続可能な社会は、定められた規範や与えられた指示を時に疑い、異なる立場にある人と意見を交わし、新たな規範や行動を生み出していくことで創られていくからです。そう、「関係ないし」と思うあなたこそが、世界を変える人なのかもしれません。
 
いやもちろん、「SDGsは大切だ! 自分に何ができるだろう?」と考える人が社会を変えられないというわけではありませんよ。私自身もそう考える一人なんですから。
 
SDGsには土台となるスローガンがあります。それは「誰も取り残さない」。弱い立場にある人の声こそを尊重し、すべての人の人権が守られる、公正な社会をつくろうという志です。SDGsに「は?」と思う人も、「大切だ」と思う人も、自身の人権を守るために声を上げ、周囲の人の権利を守るために耳を傾けながら、公正な社会とはどのような社会なのか、感じ、考え、意見を交わしませんか。

(筆者は毎号交代します)