Column:Interview
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2020年3月1日号
【卒業生訪問!】革新的なメガネを開発
三井化学株式会社 新ヘルスケア事業開発室 電子メガネ開発リーダー
村松昭宏さん (1987年度工学部光学工学科卒)


近視と老眼の両方で悩んでいる人の中には、煩わしさを感じながら近距離のものを見るときと遠距離でメガネをかけ替えたり、不便を感じながら遠近両用メガネを使ったりしている人も多い。村松昭宏さんは、そんな不便から解放する次世代型メガネ「TouchFocus®」の開発チームを率い、世に送り出した。

「私たちの生活にとって、目が果たす役割はとても大きい。新技術の開発は、利用者を少しでも快適にしたい一心だった」と語る。このメガネは、液晶・配光膜・透明伝導膜などをメガネレンズ材料MRTMに組み込んだ電子液晶レンズが用いられている。普段は普通のメガネと同じように使えるが、テンプル部分にあるセンサーに触れるとレンズの屈折率が変わり、近くがさらに見やすくなる。

「2018年2月の販売開始以降、お客さまからも好評で販売店も増え、海外展開も視野に入ってきた」と話す。

だが、開発の歩みは苦難の連続だった。12年ほど前、パナソニック・ヘルスケアでアメリカのベンチャーと協力して始めたが、連携先が破綻。一時は開発中止が検討されるなか、レンズの素材を手がけていた三井化学に移籍して研究継続につなげた。つらい日々を支えたのは強い信念だった。「『現実を素直に受け入れて考える』ことを大切にしてました。世の中のニーズはどこにあり、顧客が買いやすく、販売店も売りやすいのは何か……その答えをずっと考え続け、行動してきた結果が今につながっている」

道なき道を切り拓く中で思うのは、挑戦することの大切さだ。「日本人は挑戦が苦手。でもそれでは国の成長はない。東海大には挑戦できるフィールドがいろんなところにある。学生たちにはそれを活用して、未来を切り拓ける人になってほしい」

 
(写真上)村松さんは、「社員だけでなく、国内の多くの企業や協力も不可欠だった。日本の高い技術があったからこそ実現した商品でもある」と語る