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2020年1月1日号
【医学部】公開シンポで研究成果を報告
変形性膝関節症の新治療に向け

医学部医学科外科学系整形外科学主催の公開シンポジウム・講演会「同種細胞シートを用いた変形性膝関節症に対する再生医療の実現」が、昨年11月22日に東京都内で開かれた。
 
国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の「平成29年度再生医療実用化研究事業」(期間=3年)の採択を受けて取り組んでいる研究の成果報告会として実施したもの。研究代表者の佐藤正人教授や共同研究を進めている株式会社セルシード代表取締役社長の橋本せつ子氏らが講演し、関係省庁の職員や大学・企業の研究者ら約120人が参加した。
 
「軟骨細胞シートの可能性」と題したシンポジウムでは、佐藤教授と橋本氏が講演。佐藤教授は同種細胞シート(多指症患者の手術で廃棄される指関節の軟骨を培養したシート)を用いた臨床研究の進捗状況や成果について報告し、「安全性や有効性を確認しながら同シートを用いた変形性膝関節症に対する治療の可能性を見極め、実現・普及を目指したい」と語った。
 
また橋本氏は、同種細胞シートが再生医療等製品として承認されるための課題などを説明し、「佐藤教授らが15年という長い年月をかけて築き上げてきた成果を引き継ぎ、一日も早く治験を開始したい」と述べた。
 
AMED再生医療実用化研究事業プログラムスーパーバイザーの小澤敬也氏はこれらの講演を受け、「産学の連携プレーで大きな成果が得られたと思います。実用化への展開を期待しています」と講評した。
 
このほか、再生医療や細胞シート作製分野の第一線で活躍する研究者らによる講演も行われた。
 
最後に医学部付属病院の渡辺雅彦病院長が関係者への謝辞を述べ、「同種細胞シートを用いた変形性膝関節症に対する再生医療の早期実現に向け、引き続きご支援、ご協力をお願いします」と結んだ。

 
(写真)軟骨の同種細胞シートの有用性について説明する佐藤教授