Column:Interview
2019年10月1日号
五輪目指し選手を育成
UAE柔道ジュニア・カデナショナルチーム監督
原口直也さん(2012年度体育学部卒)


アラブ首長国連邦(UAE)の柔道ジュニア・カデナショナルチーム監督を務める原口直也さん。世界選手権に出場した教え子でUAE代表のメイサ・モハメド選手(別科日本語研修課程)に監督として帯同した。
 
東海大学男子柔道部在籍当時はけがが多く、稽古に励みつつも、将来的には「指導者への道を考えていた」という。卒業後は青年海外協力隊員として海外に渡るつもりだったが、上水研一朗監督(体育学部教授)から勧められ、「二つ返事で」渡米。1年半、セントラルフロリダ大学で語学を学びながら、週3日ほど子どもから大人まで幅広い世代を指導した。
 
周囲の支えもあり、「毎日は楽しかった」が、柔道に関しては思うようにいかなかった。英語力の乏しさに加え、そもそも教え方をわかっていなかったからだ。「初心者ばかりだったので簡単に教えられるだろうと思っていたのですが、言いたいことがなかなか伝わらず、苦労しました」
 
それでも指導者としての経験を少しずつ積み重ねた。帰国後の15年秋からは、山下泰裕副学長が理事長を務め、今年5月まで活動したNPO法人柔道教育ソリダリティーの一員として、柔道部の光本健次師範(体育学部元教授)の指導のもと多方面で活躍。東海大で行われた「2015柔道教育ソリダリティーコーチングセミナー」への参加は、各国のコーチと「年齢やレベルによって指導法を変えなければいけない」ことを学び、「指導の考え方が180度変わる」きっかけとなった。
 
16年9月からはUAE柔道連盟に請われる形で、代表選手への指導だけでなく、日本人学校の授業や知的障がい者への指導も始め、普及発展に向け活動している。
 
今大会、メイサ選手は2回戦で敗れたが、UAEの柔道のレベルも飛躍的に上がっている。原口さんの大きな目標は、「柔道を通して人間形成をしていく」こと。「UAEの選手を一人でも多く五輪の舞台に送り込む」とも意気込む。年齢や実力的に東京五輪に教え子を送り出せる可能性は低いが、その先の五輪に向けて、灼熱の中東で種をまき続けている。

 
(写真)試合を終えたメイサ選手を笑顔で迎える