News:研究
2019年3月1日号
5年間の成果と展望を報告
マイクロ・ナノ研究開発センター

接着剤なしにさまざまな場所に貼りつけられる高分子超薄膜を、若手研究者による医理工連携で社会に還元する―マイクロ・ナノ研究開発センターの最終報告会が、2月23日に湘南校舎で開かれた。同センターは、平成26年度文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業の採択を受けた「高分子超薄膜から創成する次世代医用技術」に基づいて2015年1月に開設。採択の最終年度を迎えたことから、これまでの活動の成果を報告し、外部審査員による評価を受ける機会として実施された。

同センターでは、理学部の喜多理王教授を中心に医学部・理学部・工学部の教員らが連携し、「創る」「試す」「知る」の3つの観点から研究・開発を展開してきた。稲津敏行所長は、「若手研究者のアイデアが詰め込まれたプロジェクトによって、東海大学における新たな研究パワーを示すことができた」と、これまでの成果を語る。 

新しい高分子超薄膜の開発を進める一方、マイクロ流体デバイス技術を組み合わせた動物実験のいらない疾患モデルや極少量域の酸性度を計測できるセンサ、ラッピングシートを使って免疫などの浮遊細胞を自然状態で観察する技術を開発。このうち、ラッピングシートの技術は大学発ベンチャー螢船紂璽鵑寮瀘につながるなど成果を収めてきた。
 
また、所属教員や各研究室の学生が毎年学会賞を受賞するなど若手研究者の育成にも貢献してきた。さらに、毎年10社程度の企業と共同研究に取り組み、16年には螢縫灰鵑よび螢縫灰鵐ぅ鵐好謄奪と共同で、バイオ系・産業系の最先端の光学機器を備えたイメージング研究センターも開設。学内のみならず企業や他大学の研究者からも広く利用されている。
 
報告会は、文部科学省私学助成課長の井上睦子氏を来賓に、外部審査員や東海大の教員、学生ら約120人が参加して行われた。喜多教授がこれまでの事業内容と成果の概要を紹介。「創る」「試す」「知る」の3テーマについて代表教員がこれまでの研究成果や今後の展開を報告し、外部審査員からの講評も行われた。
 
喜多教授は、「今後は考古学や美術修復、体育学など異分野との融合も進めたい。来年度以降は、これまでのメンバー以外の教員・研究者も所員に迎え、多分野による“協奏的アート&サイエンス”の実現を目指す。研究成果を社会全体のQOL向上につなげていきたい」と話している。

 
(写真)報告会では、外部審査員から高い評価と今後への期待の言葉が語られた