News:付属諸学校
2019年1月1日号
自然科学部が研究助成に採択
環境を生かした理科教育

公益財団法人山自然科学教育振興会から助成を受けている付属静岡翔洋高校・同中等部の自然科学部がこの秋、学内外で調査活動や成果報告などを行った。静岡県内における優秀な自然科学教育・研究として、小・中学校の部と高校の部(ともに生徒の部)、教員の部の3部門で昨年6月に採択されていたもの。

小・中学校の部で助成を受けた研究課題「幻の海浜植物を探せ!!」では、中等部の11人が9月から11月にかけて静岡県・三保海岸で調査に取り組んだ。ハマネナシカズラなど絶滅危惧種に指定されている植物を撮影し、レポートを作成。生徒たちは、「身近な海岸にも貴重な生物がいることがわかった」と語る。
 
10月13日には、同部を指導する品川杏彩教諭が教員の部で採択された「科学教室を利用した反転授業の可能性の検討」を実践。土曜講座で理科の授業を選択している高校1年生が中等部3年生を相手に科学教室を行い、生徒が犇気┐訛〞となったときの教育効果を検証する静岡翔洋中・高の一貫教育体制を生かした試みだ。品川教諭は、「学年が違うと伝わらないニュアンスもあるので、中学生の理解度を検証し、高校生自身に解決策を考えてもらう」と次のステップを語る。

高校生が各地で活躍 エネルギー自給率の提案も

高校の部で採択された研究課題「富士山世界文化遺産構成資産の海浜植物を守る」では、三保松原にある海浜植物の調査を行ったほか、地域に花壇を設置するなどして、保全活動に関心を持つよう市民に呼びかけた。
 
部員たちはさまざまな学会や成果発表会で研究内容を報告し、各大会で入賞。12月1日には、県内の優秀な理科研究論文に対して贈られる「第65回鈴木賞」の正賞(1位)に選出された。同部の劔持幸希さん(2年)は、「とても名誉で誇り高い賞。環境保護だけでなく地域貢献にもなる研究なので、さらに発展させていきたい」と意気込んだ。
 
今後は各研究課題の成果報告書を提出し、年度末には助成を受けている学校の中から優秀な研究が表彰される。
 

また、自然科学部以外の生徒も熱心な研究活動に励んでいる。品川教諭が担当する英数進学コースの1年生3人は、12月16 日に東京大学本郷キャンパスで行われた日本原子力文化財団の成果発表会に参加。メタンハイドレードの活用によるエネルギー自給率の向上案を発表した。参加した石川汰一さんは、「自国でエネルギーを生成できる方法を考えて研究してきたので、今後も多くの人に関心を持ってもらいたい」と話している。

 
(写真上)土曜講座では、高校1年生の生徒たちが14の科学実験を用意し、化学反応が起こる条件や原理を中学生にもわかるように工夫して説明した
(写真中)「第65回鈴木賞」の表彰式
(写真下)資料もすべて生徒が作成した原子力財団での発表