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2018年9月1日号
日露の学生が望星丸で交流
平成30年度海外研修「ウラジオストク航海」
ライフケアをテーマに学生フォーラムを開催

日本とロシアの大学生が、東海大学の海洋調査研修船「望星丸」(国際総トン数=2174トン)で寝食をともにしながら両国の未来を語り合う、平成30年度海外研修「ウラジオストク航海」(団長=山田清志学長)が8月7日から15日まで行われた。日本人学生は8日に北海道・留萌港を出港し、10日にロシア・ウラジオストク港に到着。翌日にはロシア人学生も加わり、15日に静岡市・清水港に帰港した。16日から18日にはロシア人学生向けの日本研修も行われた。

この航海は、文部科学省の平成29年度「大学の世界展開力強化事業(ロシア)」の採択を受けた東海大の「ライフケア分野における日露ブリッジ人材育成」プログラムの一環で行われたもの。

同プログラムは、東海大とロシアの極東連邦大学、サハリン国立総合大学、モスクワ国立大学、国立高等経済学院が連携し、両国の健康長寿社会に貢献する人材の育成を目指している。昨年度から東海大と連携大学の学生を対象に、日露の文化や医療制度を学ぶ短期研修や派遣留学を実施してきた。今回の取り組みは、両国の学生に互いの文化や社会経済への理解を深めてもらおうと企画されたもので、「ロシアにおける日本年2018」の認定事業にも選ばれた。

日本人学生は東海大をはじめ、「大学の世界展開力強化事業(ロシア)」の採択を受けている北海道大学、新潟大学、近畿大学から計64人が参加。ロシア人学生は、極東大とサハリン大から計39人が乗船した。

極東の現状を学び互いの実像を知る
船内で学生たちは、出身大学混成のグループ(生活班)で生活。学生リーダーを務めた越智将太さん(大学院工学研究科2年)は、「皆が助け合い、協力する雰囲気が自然とできた。人として大切なことを学んだ航海だった」と振り返る。

航海中には、多彩なプログラムが行われた。各大学の引率教員から、両国語や極東経済の現状などに関する講義を受けたほか、スポーツ大会も実施。10日と11日に訪問したウラジオストクでは、ロシア美術史や分子生物学の歴史と未来に関する講義、極東大のキャンパスツアーのほか、工芸品の絵付けも体験した。

ロシア人学生乗船後の12日から14日には日露学生フォーラム「日露両国のライフケア:未来への提言」を実施。両国の医療やヘルスケアの課題と解決策を語り合い、成果を発表した。極東大臨床医学部5年のヴァレリア・ミハイロヴァさんは、「制度の違いはあるものの共通する課題が見つかるなど、とても有意義だった。多くの分野で協力できると実感した」と語った。

15日の清水港帰港後、日本人学生は解散。16日から18日には、日露友好ゆかりの地である沼津市戸田や伊勢原市の東海大学医学部付属病院を巡るロシア人学生向けの日本研修も実施された。

国際教育センターの山本佳男所長は、「研修を通して学生たちは大きく成長し、本学と連携大学の協力がより高いレベルに進む新たな一歩となる成果を残してくれた。今後さらに両国への理解を深め、将来を切り拓いてくれることを期待している」と話している。

(写真上)共同生活を通して、異文化理解のあり方を身をもって学んだ
(写真下)引率教員による洋上講座を実施

 
研修団を激励 留萌で華やかに出港式

「ウラジオストク航海」の出港式は8月8日に、留萌産業会館で挙行された。東海大学の山田清志学長や国際教育センターの山本佳男所長をはじめ、北海道留萌振興局の松浦豊局長、在札幌ロシア連邦総領事館のコレスニク・ロマン領事、留萌市の中西俊司市長、参加大学の代表者ら多数が来賓として出席した。

山田学長のあいさつに続いて学生代表の越智将太さん(大学院工学研究科2年)が登壇。「研修が実りあるものになるよう、学生一同協力して臨みます」と宣誓した。さらに、中西市長から山田学長に花束が贈られ、新星マリン漁業協同組合の山田徹代表理事組合長から支援品の目録が越智さんに手渡された。

研修団はその後、留萌港北岸ふ頭へと移動。各大学や留萌市の関係者が見送りに駆けつけ、色とりどりのテープで船と陸が結ばれると、留萌高校吹奏楽部が『風になりたい』を演奏して離岸する望星丸にエール。漁協の協力で、大漁旗を掲げた漁船も港内を随行し、一行を華やかに激励する中、望星丸はウラジオストクへと舵をとった。

(写真上)航海の成功を誓った越智さん
(写真下)各大学と留萌市の関係者らが見送り
 
ウラジオストクで大歓迎 極東大との交流も

「ウラジオストク航海」研修団一行は、8月10、11日のウラジオストク滞在中、現地で大きな歓迎を受けた。10日の入港時には、ニキータ・アニシモフ総長ら極東連邦大学の関係者が研修団を出迎え、港内の広場で歓迎式典を開催。式典の合間には、山田清志学長や学生が現地の報道機関から取材を受け、ニュースなどで配信された。
極東大での研修は同大の学生がサポート。キャンパスツアーの案内役を務めたほか、研修学生と昼食をとりながら交流を深めた。出発時にもアニシモフ総長が研修団を激励した=写真。

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